AMHが高い人の特徴
2025年03月27日
「年齢的に妊娠が心配で、AMHの検査を受けてみたら“数値が高い”って言われた。これは良いことなの?それとも…」
AMH(抗ミュラー管ホルモン)は、卵巣にどれくらいの卵子が残っているかを知るためのホルモンです。数値が高ければ安心、と感じる方も多いかもしれませんが、実は“高い”にもいろいろな背景があり、注意が必要なケースもあります。
特に妊活中の方にとっては、AMHの正しい理解が妊娠への近道になることも。本記事では、AMHが高い人の特徴や妊活との関係について、やさしく・わかりやすく解説していきます。
目次
【AMHが高い人の特徴①】卵巣の予備能力が高い


AMHが高い=卵子の数が多い?
AMHの数値が高い人は、一般的に卵巣内に残っている卵子の数(卵巣予備能)が多いとされています。これは、妊娠の可能性が長く続くというメリットがある一方で、必ずしも「妊娠しやすい」とは限りません。
年齢が若いほどAMHは高くなりやすい
AMHの値は、年齢とともに低下していくのが一般的です。そのため、20代や30代前半の人は、自然とAMHの数値が高めになる傾向があります。しかし、同じ年齢でも個人差があるため、検査を受けて自分の数値を確認することが大切です。
【AMHが高い人の特徴②】多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の可能性がある


PCOSとは?
AMHが高い人の中には、「多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)」の可能性がある人もいます。PCOSとは、卵巣内に小さな卵胞がたくさんできてしまい、排卵がうまくいかない状態のことです。
PCOSの症状
PCOSの主な症状には、生理が不規則になる・ニキビができやすい・体毛が濃くなる、などがあります。PCOSの人は自然妊娠しにくいことがあるため、妊活を考えている場合は、早めに婦人科で相談することが大切です。
【AMHが高い人の特徴③】ホルモンバランスの影響を受けやすい


男性ホルモンが多くなることがある
AMHが高い人の中には、男性ホルモン(アンドロゲン)が多めの人もいます。そのため、体毛が濃くなったり、皮脂が多くなったりすることがあるのです。これは、PCOSの人にもよく見られる特徴です。
生理不順になりやすい
ホルモンバランスが乱れると、生理周期が安定しにくくなることがあります。特に、AMHが高い人は排卵がうまくいかないケースもあるため、生理が来ない、長期間こないなどの症状が出ることがあります。
→体験談:
20代後半のBさんは、AMHが高く安心していたものの、生理が毎月不規則で不安を感じて来院。詳しく調べた結果、ホルモンバランスが乱れがちで排卵障害があることがわかりました。生活習慣の見直しと漢方治療を始めたところ、少しずつ周期が整い、妊娠への道が開けてきたそうです。
【AMHが高い人の特徴④】妊娠しやすいとは限らない


卵子の質とは別の問題
「AMHが高い=妊娠しやすい」と思われがちですが、実は卵子の数と質は別の問題です。たとえ卵子の数が多くても、質が良くなければ受精や着床がうまくいかないこともあります。
妊活では他の要素も重要
妊娠には、卵管の通りやすさ、子宮内膜の状態、パートナーの精子の質など、多くの要素が関わります。そのため、AMHの数値が高くても、他の部分に問題があると妊娠しにくくなることもあります。
→体験談:
30代前半のAさんは、AMHが平均より高めだったため「まだまだ妊娠できる」と思っていたそうです。しかし、なかなか妊娠せず検査を受けたところ、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と判明。排卵がうまくいっていなかったことが原因でした。現在は排卵誘発をしながら妊活を続けています。
【よくある質問】AMHが高い人の特徴

Q1.AMH(抗ミュラー管ホルモン)が高いと、どういう意味ですか?
AMHが高いということは、卵巣の中に未成熟な卵子がたくさんある状態を示しています。
これは「卵子の数が多い」ことの目安にもなります。ただし、質(元気さ)とは別の話です。年齢が若い人や、多嚢胞性卵巣(PCOS)の人で高くなることがよくあります。
参考文献:田中レディスクリニック渋谷 AMH(抗ミュラー管ホルモン)
Q2.AMHが高い=多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)ってこと?
必ずしもそうとは限りません。
AMHが高い人=PCOSとは限らず、卵巣の機能が活発なだけのこともあります。
月経が順調で排卵もあるなら、PCOSではない可能性が高いです。他のホルモンや超音波検査の結果とあわせて判断されます。
参考文献:どういう病態?多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の症状や治療などを解説します
Q3.卵子の数が多いと妊娠しやすいの?
卵子の数(AMHが高い)だけでは、妊娠しやすさは決まりません。
妊娠には「数」よりも「質(元気な卵)」が大切です。AMHが高くても、排卵がうまくいかないと妊娠しにくいこともあります。数と質、どちらもバランスが大事です。
参考文献:六本木レディースクリニック 一生の卵子の数は決まってるの?
Q4.AMHが高すぎると体に悪いの?
AMHが高いだけで体に悪いわけではありません。
ただし、高すぎる場合は「排卵が不規則になる」「月経周期が乱れる」などの傾向が出ることも。特にPCOSの人は注意が必要です。でも、治療や生活習慣で整えることができます。
参考文献:AMHとは?AMH平均値とAMHの低い/高いから分かること
Q5.AMHを上げたり下げたりできるの?
AMHは基本的に体質や年齢によって決まっており、大きく変えるのは難しいです。
けれど、生活習慣の改善やストレスケアで卵巣の調子を整えることはできます。AMHの値に一喜一憂せず、医師のアドバイスにそって妊活することが大切です。
参考文献:AMH値は改善できる?低下する原因や不妊との関係性を解説
【まとめ】AMHが高い=妊娠しやすいわけではない


AMHが高い人の特徴について解説しました。AMHが高い人には、卵子の数が多い、若い、PCOSの可能性がある、ホルモンバランスの影響を受けやすい、などの特徴があります。
しかし、AMHが高いからといって必ずしも妊娠しやすいわけではないことを理解しておくことが大切です。
特に、PCOSの可能性がある人は、早めに婦人科で相談することで妊娠しやすい環境を整えることができます。また、AMHの数値は卵子の数を示すものであって、卵子の質や排卵のしやすさを直接示すものではないため、他の要素もしっかりチェックすることが大切です。
妊活をしている人は、AMHの値だけに注目するのではなく、トータルで自分の体の状態を知ることが重要です。適切な検査を受け、必要なら医師と相談しながら、妊娠しやすい体づくりを進めていきましょう。
関連記事:妊活中にセルフでお灸~おすすめのツボで着床率を上げる~
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹

約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。












