子宮筋腫
- 生理痛がひどい
- 生理の出血量が多い
- 周期が短くなった
- 下腹痛、便秘、頻尿、腰痛
- 貧血(疲労感、息切れ、めまい)
子宮筋腫の原因は?
30歳以上の約4人に1人が、患っていると言われるほど、多い病気です。
子宮壁にできる良性の腫瘍です。
悪性腫瘍に変化するケースはほとんど無く、症状も人それぞれ異なります。
赤ちゃんを希望されるなら、5センチ以上の大きさには、ご注意を。
この病気は、エストロゲン(女性ホルモン)が関係していると言われています。
妊娠中に発生すると、流産や早産、難産につながる場合もあります。
5センチ以上になると
子宮筋腫は良性の腫瘍なので、今すぐ何か手を打たないと、命に関わるものではありません。
経血量が異常に多いとか、貧血がひどい時には、婦人科で相談を。
子宮筋腫は、月経に関係して大きくなります。最近では、初経年齢が低くなり、好発年齢も低くなっています。
子宮筋腫が邪魔をして、授かりにくい人も増えています。
特に、子宮の内側(粘膜下筋腫)が出来ていると、内膜がデコボコ状態になるので、受精卵が着床しにくくなります。
ですので、大きさが5センチ以上になると、不妊や流産の原因になるかもしれません。
妊娠を希望する場合には
筋腫が小さいうちに、手術をして摘出するのも良いでしょう。
10cm以上になると、子宮の形が変わり、着床障害で妊娠が難しくなるケースもあります。
もし子宮筋腫があれば、摘出すると、妊娠率は上がりやすくなります。
流産や早産予防にも、赤ちゃんを希望される人は、早めにクリニックを受診して下さい。
放っておいても大丈夫?
必ずしも、対処が必要というわけではありません。
不調もなく、大きさも10cm以下で、妊娠も望んでいない場合、定期検査で大きさの変化を見ながら、経過観察の方も。
閉経に至るまで、定期検査を受けるだけで、様子を見ていく方も多くおられます。
過多月経や月経痛がひどければ、病院へ。
まずは薬で、出血量のコントロールをして、様子を見ましょう。
治療法
- 経過観察(年に1度くらいの検査で、筋腫の変化を調べる)
- 薬物療法(女性ホルモンの分泌を止めて、無月経の状態にする)
- 手術療法(開腹手術・内視鏡下手術)
開腹手術になるのは、筋腫が10cm以上、筋腫が多発しているケースに行われます。
手術が必要な時は?
- 子宮筋腫が大きい、またはどんどん大きくなっている
- 子宮筋腫が大きく、圧迫による症状がひどい
- 赤ちゃんを望んでおり、筋腫が妊娠の妨げ、流産、早産のリスクになるケース
手術は、子宮筋腫の場所や大きさ、年齢などを考えての選択となります。
将来赤ちゃんを希望する場合は、基本的には子宮を残すように考えます。
内視鏡下手術は、体にやさしい
近年、技術が進歩し、「内視鏡下手術」が、子宮筋腫の手術で、圧倒的に多くなっています。
筋腫の大きさが、10cm以下であれば、内視鏡下手術が選択できます。
手術後の回復も早く、入院期間が短く済み、術後の傷痕も目立たないので、負担が少なく、体にやさしい手術です。
手術後は、いつから妊活できるのか?
手術後は、妊活できない期間が発生します。
腹腔鏡下手術の場合には、子宮破裂のリスクを避けるため、術後3~6ヶ月間は、避妊が必要です。
また、手術前にホルモン療法を行っていると、ホルモン剤の影響で、術後も生理が数ヶ月間止まる事も考えられます。
子宮筋腫の術後には、長期間に渡って妊娠できないケースがあるので、特に高齢の人は、オペと体外受精など、どちらを優先させるか慎重に検討すべきです。
養生法
卵巣や子宮に、何か異物が出来るのは、何らかのストレスを溜めている人が多いです。
仕事が多忙で、頑張り過ぎ、我慢が続いて、イライラなど。
ストレスが非常に良くないので、のびのび生活を送ることが大切です。
就寝の22時~2時までのゴールデンタイムは、大切にして下さい。
食事法
子宮筋腫は、エストロゲンの影響を受けて大きくなりますから、エストロゲン過剰状態を作らないようにすることが大切です。
エストロゲンは、動物性脂肪から作られますので、肉や乳製品の摂り過ぎはNGです。
ただし、青魚やオリーブオイルに含まれている不飽和脂肪酸は、悪玉コレステロールを外へ排出してくれる働きが期待できます。
ですので、逆に積極的に摂って頂きたい食材です。
また、すでに筋腫があるのであれば、貧血対策も忘れずに。
甘い物は、血液をドロドロにします。せんべいなどのもち米の取りすぎも良くありません。
漢方鍼灸
東洋医学では、子宮筋腫は「肝」と「腎」との関係しており、「肝」は血の循環調節を、「腎」は生殖器の成長・生殖・滋養をしています。
子宮筋腫は、このような働きがうまくいかず、血の停滞から発症したものです。東洋医学的には「古い血の塊」と考えます。
これがある人は、ドロドロ血で滞りやすくなっているので、血流改善が必要になります。
このように血がスムーズに巡らない状態を「瘀血」といいます。
はり灸では、「肝」「腎」「瘀血」をツボを使い、調整していきます。
体質を変えていく
また、その根本的な要因となっている「体質」を変えていくことが大切です。
悪い生活習慣(冷え、ストレス、偏食など)は、意外と沢山あります。
このような体質が変わってくれば、生理中の不調も楽になり、色もきれいになり、塊も少なくなります。
フカフカ内膜で、質の良い卵、赤ちゃんの成長の為にも、きれいな血を送ることは大切です。
生活習慣に関しても、しっかりお話をしながら、最短でゴールに導きます。
慰安的な施術ではありません
はり灸では、基本的な体作りのお手伝いをさせて頂きます。体質をより良くして、赤ちゃんが成長しやすい環境を作っていきます。
当院では、女性ホルモンのバランスをしっかり整えて、基礎体温、生理痛、PMSなどを安定させていきます。
しかし、自分では何をすれば良いのかも分からず、何も出来ないという人がほとんどかもしれません。
当院では、「頭蓋骨」「お腹」「脈」「身体」のゆがみにも注目し、ホルモンバランスを整えていきます。
その場だけの、気持ち良さを求める慰安的な施術ではありません。
病の根本に働きかけ、不調の出ない体にしていきます。
症例
豊中市/39歳/検診で大きさが2~3㎝になっており、医師にビックリされた
3年前から妊活中。
クリニックで検査を受けた時に、3~5㎝程の子宮筋腫が見つかり、大きくなるようなら摘出手術を勧められた。
オペはリスクがあり、 稀に卵管が癒着して授かりにくくなるケースもあるとの事。
ネットで調べて、わらをもすがる気持ちでいらっしゃった。
生理痛、出血量が多い、腰痛、ストレスが多い、便秘、頻尿、過労気味、腹部から下肢の冷え顕著。
週2回で2ヶ月通い、検診で大きさが2~3㎝になっており、医師にビックリされたと喜んでいた。
しばらく妊活をお休みしていたが、再開することに。その二か月後に妊娠反応が出たが、残念ながら化学的流産。
その二か月後に再び授かることができ、現在施術継続中。
執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹

約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。