採卵数と胚盤胞になる確率について詳しく解説
採卵数や胚盤胞になる確率が上がると、体外受精や顕微授精で成功しやすくなります。
特に不妊治療中の30代の方は、採卵した卵子が胚盤胞まで育つがどうか…気になるところでしょう。採卵数と胚盤胞になる確率についてわかりやすく説明します。
採卵数の平均と年齢の関係

採卵数の平均はどれくらい?
採卵できる卵子の数は人によりますが、30代の女性の平均は7~10個程度です。20代ではもう少し多くなることがありますが、40代になると平均が4~5個に減少します。
採卵数に影響を与える要因
採卵数は年齢の他にも、以下の要因で変わります:
- 卵巣の状態(AMH値):卵巣年齢を表す数字で、高いほど採卵数が多くなる傾向があります。
- ホルモンの影響:治療中に使う薬が卵子の数や質に影響します。
- 健康状態: 生活習慣や体調も関係してきます。
30代前半の採卵数と妊娠率
30代前半では卵巣の機能がまだ安定しているため、採卵数が多い場合が多く、胚盤胞まで育つ可能性も比較的高くなります。
胚盤胞になる確率とは?

胚盤胞とは何か?
受精卵が5~6日かけて細胞分裂を繰り返し、子宮内膜に着床できる状態まで成長したものが胚盤胞です。妊娠が成功するには、この状態まで育つことが重要です。
胚盤胞になる確率の目安
- 20代の場合:受精卵の約50~60%が胚盤胞まで成長します。
- 30代の場合:胚盤胞まで育つ確率は約40~50%です。
- 40代の場合:胚盤胞まで育つ確率は20~30%程度まで低下します。
顕微授精の胚盤胞到達率
顕微授精(精子を直接卵子に注入する方法)の場合も、胚盤胞になる確率は自然受精とほぼ同じです。ただし、精子や卵子の質が低い場合には、胚盤胞になる確率が下がることがあります。
胚盤胞まで育たない原因とは?

卵子や精子の質の問題
卵子や精子の質が低いと、受精卵が普通に成長せず、胚盤胞まで育たないことがあります。特に年齢が上がると、卵子の質が下がってしまいます。
遺伝子異常
胚盤胞に到達しない主な理由の一つが染色体異常です。20代でも一定の確率で起こりますが、30代後半から40代になるとその割合が高くなります。
培養環境の影響
受精卵を育てる培養液や温度、医療技術の違いも関係があります。最新の設備を持つクリニックでは、胚盤胞まで育つ確率が高い場合があります。
採卵数と胚盤胞の関係:成功率を上げるには

採卵数が多いほど有利?
採卵数が多いほど、胚盤胞まで成長する受精卵の数も増える可能性があります。ただし、卵子の質が高いことが重要です。数が多くても質が低いと、胚盤胞になる確率が下がります。
質を重視した治療
最近の不妊治療では、「数」より「質」を重視する傾向があります。質の高い卵子を得るために、ホルモン治療や生活改善を薦められることがあります。
年齢別の成功率
- 20代:採卵数が多く、質も高いので胚盤胞の到達率が高い。
- 30代前半:採卵数も質もまだ安定しており、妊娠率も高い。
- 30代後半~40代:採卵数が減少し、質も低下するため、成功率が下がる。
まとめ:採卵数と胚盤胞の確率

採卵数や胚盤胞まで育つ確率は、年齢や体質、治療方法などが大きく関係してきます。
30代前半では採卵数が平均7~10個程度で、胚盤胞に育つ確率は40~50%とされています。
顕微授精でも胚盤胞まで育つ確率は高いですが、卵子や精子の質、培養する環境によって変わります。
胚盤胞まで育たない原因は、卵子や精子の質、染色体異常、培養する環境の影響があります。
特に年齢が上がるほど難しくなるため、早めの治療が推奨されます。
成功率を上げるには、採卵数だけでなく、生活改善や専門医のアドバイスを聞いて、卵子の質を上げることが大切です。
採卵数が少なくても、質の高い胚盤胞が育てば妊娠の可能性は十分にあります。不妊治療を進める中で、自分に合った方法を見つけていきましょう。