クラミジアは、おりものの【匂い】でわかる？

2024年09月25日

【この記事でわかること】

• クラミジア感染時に見られるおりものの変化（匂い・色・量）
• クラミジア以外の病気とおりものの特徴
• 早期受診の重要性と放置のリスク

 

この記事では、「おりものの匂いが変わった」「量や色がおかしい」など、女性がふと感じる変化について、その背景にある可能性のある疾患、とくに性感染症クラミジアとの関係を中心に解説しています。

「いつもと違うおりもの」に不安を感じている方、妊娠を希望している方、生理以外の出血が気になる方におすすめの記事です。

結論としては、クラミジアはおりものの変化で気づける数少ないサインがあり、放置すると不妊や子宮外妊娠のリスクになることから、少しでも異常を感じたら早めの婦人科受診が大切です。

本文中には、カンジダ膣炎や子宮がんなど他の疾患の可能性についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください！

 

クラミジア、おりもの【匂い】でわかる？

オリモノの「匂い」→いつもと違う！

おりものがいつもと違う時は、性感染症の疑いがあります。中でも『クラミジア』は世界で年間120万人が感染していると言われていて、日本でも最も多い感染症です。

クラミジアの感染経路

クラミジアの感染経路は「性行為」です。クラミジアは感染した人の精液・膣分泌液などに存在するので、そこに接触することで感染します。

また、出産時に母子感染する場合もあります。今回はそんなクラミジアについてご説明したいと思います。

 

✅ 事例：クラミジア感染に気づいたAさんの場合

「下着についたおりものが、以前よりも黄色っぽくて、なんとなく酸っぱいような臭いがする気がして…最初は『疲れてるからかな』と思ってたんです。でも数日たっても治らないので、婦人科を受診したらクラミジアでした。特に痛みやかゆみがなかったので、自分では全然気づけませんでした」（28歳・会社員 女性）

クラミジアは、症状がほとんど出ないまま進行することもあるため、こうした「おりものの変化」が唯一の手がかりになることもあります。

 

クラミジアの症状（おりもの→茶色 臭い）

クラミジアの症状

クラミジアは特に症状が出ない人もいますが、一番気づきやすいクラミジアの症状は「おりものの変化」です。

• おりもののニオイが臭い
• おりものの量が増える
• 水っぽくサラサラしたり、黄色いおりものが出たり（おりもの異常）

他にも、不正出血や下腹部の痛み、膣のかゆみや性交痛がクラミジアの症状としてあげられます。

クラミジアは不妊症に繋がることも

女性の場合、クラミジア感染しても約８割は無症状であるため、知らないうちに膣内から子宮→卵管→骨盤内へと炎症が広がり、卵管炎や卵巣炎、骨盤腹膜炎を起こし、骨盤内炎症疾患を発症する可能性があります。

特に卵管炎を起こすと、卵管がうまく働かなくなって子宮外妊娠を起こしたり、卵管内が癒着して不妊症の原因にもなります。

クラミジア感染症は、放置しても自然治癒する病気ではありません。

女性のクラミジア感染は、深刻な問題になりやすいので、心配がある時は迷わず検査を受けることが大切です。パートナー同士で検査を受けるとより一層安心に繋がります。

 

✅ 事例：異常に気づかず放置してしまったBさん

「生理じゃないのに茶色いおりものが少し出て、不正出血かな？って思ったんですが、仕事が忙しくてそのままに…。3カ月後に妊娠希望で婦人科に行ったら、クラミジアによる卵管炎で卵管が癒着していると言われました。もっと早く気づいていればと後悔しています」（32歳・営業職 女性）

クラミジアを放置すると、卵管炎や骨盤内炎症疾患、不妊症、子宮外妊娠の原因になることがあります。不妊治療の現場では、クラミジアによる卵管のダメージが後から発覚するケースも多くあります。

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おりものがいつもと違う原因

おりものがいつもと違うという時の原因として次のことが考えられます。

• 非特異性膣炎(細菌性膣炎)…疲労やストレスによってホルモンバランスが乱れ、おりものの自浄作用が低下することで発症し、おりものの色が黄色や黄緑色、茶色などいつもと違う色をしていて、臭いニオイも感じます。
• カンジタ膣炎…おりものに白い塊が混じり、カッテージチーズや酒粕のような状態になっている場合、外陰部に痒みが生じる場合はカンジタ膣炎の可能性が高いです。
• 子宮頸がん・子宮体がん…赤褐色、茶褐色、ピンク色のおりもので臭いニオイがする場合は子宮頸がんや子宮体がんの可能性があるので早めにクリニックを受診しましょう。
• 淋菌感染症（淋病）…おりものが黄色や緑色にへんかしたり、膿のようなドロドロした状態になったりすることが特徴です。また、強いニオイを伴う場合もあります。

 

✅ 事例：カンジダ膣炎を繰り返していたCさん

「ストレスが多い時期に、酒粕みたいなおりものと強いかゆみがありました。婦人科では“カンジダ膣炎”と診断され、薬ですぐ治ったんですが、繰り返すうちに自分の体調のサインだと気づくようになりました」（25歳・看護師 女性）

 

今回ご紹介させて頂いた病気の他にも、おりものの変化で気づくことが出来る病気はたくさんあります。「いつものおりものと違うな」と少しの変化でも気付いたら、早めに婦人科に行く事をおすすめします。

また、生理と同様変化にすぐ気づけるように、しっかり自分のおりものの状態を把握し、チェックするようにしましょう。

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【よくある質問】クラミジアは、おりものの匂いでわかる？

 

Q1. クラミジアに感染すると、おりものの「匂い」でわかる？

A1. クラミジアに感染することで「普段と違うおりもの」「匂いが気になるおりもの」が出ることがあります。

例えば、無臭だったのに酸っぱい匂いや生臭さを感じたり、匂いが強くなったりする場合があります。ですが、匂いだけで確定できるわけではないので、違和感があれば検査を受けるのが安心です。

参考文献：Chlamydia

Q2. おりものの「色」や「量」の変化ってどういう意味？

A2. クラミジアに感染すると、おりものの量が増えたり、色が黄色っぽかったり、淡い黄色から黄緑っぽく変化することがあります。

これに加えて匂いが変わる場合もあります。つまり、「いつもと違うおりもの」が出たら注意です。

ですが、色・量・匂いは他の原因でも変わるため、単独では判断せず医療機関で相談しましょう。

参考文献：クラミジア感染症について男女別に症状を解説｜性器・喉・目　それぞれにおこる自覚症状について

Q3. 匂いだけで「クラミジアだ！」と言えるの？

A3. いいえ、匂いだけではクラミジアとは言えません。

他の性感染症（例えばトリコモナス腟炎や細菌性腟症）や腟内のバランスの乱れでもおりものの匂いや色・量が変わります。

クラミジアは無症状のことも多いので、「匂いが変わった」＋「量・色・かゆみ・痛みなど」の変化があれば、検査を検討しましょう。

参考文献：おりものの異常の原因とは？クラミジア感染症など関連する病気

Q4. おりものの匂いや色・量がおかしい時、どうしたらいい？

A4. まずは「普段と違うな」と感じたら産婦人科や性病専門のクリニックを受診しましょう。検査を受けることでクラミジアかどうかがわかります。

匂いや変化を放置すると、卵管炎や不妊などの合併症のリスクも出てきますので、早めの対応が大切です。パートナーも一緒に検査・治療することが望ましいです。

参考文献：Chlamydia Infections

Q5. もしクラミジアなら、治るの？匂いやおりものも元に戻る？

A5. はい、適切な抗菌薬を用いた治療を受ければクラミジアは治るとされています。

ただし、治療を受けてもおりものの匂いや色・量がすぐ元通りになるとは限りません。治療後も変化が続く場合は再評価が必要です。

また、治療中・治療後も性行為を控えたり、パートナーの治療を確実にして再感染を防ぐことが重要です。

参考文献：Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines, 2021　Chlamydial Infections

 

 

【まとめ】クラミジアは、おりものの”匂い”でわかる？

「おりものの匂いがいつもと違う」「色や量が変化した」――そんな小さな変化は、実は体からの大切なサインかもしれません。

性感染症の中でも特に多い「クラミジア」は、自覚症状がほとんどない一方で、おりものの変化が唯一の手がかりになることがあります。

特に、黄色っぽくなったり、酸っぱいような臭い、量の増加、水っぽさなどは注意が必要です。クラミジアを放置すると卵管炎や骨盤内炎症を引き起こし、不妊や子宮外妊娠の原因にもなるため、早期の検査と治療が重要です。

また、おりものの異常は他にも、カンジダ膣炎（白い塊＋かゆみ）、細菌性膣炎（黄緑色や悪臭）、子宮頸がん・体がん（茶褐色やピンク色）、淋菌感染症（黄色や膿のようなおりもの）などの可能性があります。

普段からおりものの状態を記録し、少しでも異常を感じたら婦人科を受診しましょう。自分の体としっかり向き合うことが、健康を守る第一歩です。