鍼灸の好転反応(ひどい頭痛・下痢・めまい等)について
2024年06月1日

「え…これって大丈夫なの?」
鍼灸を受けた後、急にひどい頭痛や下痢、めまいに襲われて不安になったことはありませんか?
せっかく体調を整えるために受けた鍼灸なのに、むしろ悪化したように感じてしまって「私の体、おかしくなっちゃったのかな…」と心配になる方も少なくありません。
でも、それは「体がよくなろうとしているサイン」かもしれません。
この記事では、鍼灸後に起こる“好転反応”について、症状や対処法、注意点をわかりやすく解説します。あなたの体の変化が、必要なプロセスなのか、注意すべき兆候なのか――正しく知って、安心につなげていきましょう。
目次
鍼灸の好転反応(ひどい頭痛・下痢・めまい等)について
鍼灸の好転反応とは?(ひどい頭痛・下痢・めまい等)
「好転反応(こうてんはんのう)」という言葉をご存知でしょうか?
好転反応とは、鍼灸やマッサージなどを受けた後に、身体が回復する途中で一時的に起こる下記の症状です。
- ひどい頭痛、めまい、吐き気
- 下痢
- だるい
- 発熱、発汗
- 眠気
- ニキビ
といった症状が起こる可能性があります。
→体験談:30代女性
肩こり改善のため初めて鍼灸を受けた直後、ひどい頭痛と強い眠気に襲われたが、翌日には体が軽くなり頭痛もスッと消失。「これが回復の前兆だったんだ」と後で知り、安心して通院を継続できたそうです。
なぜ好転反応が起きるの?
鍼灸施術によって、今まで血液循環が悪かった箇所の血流が良くなります。
老廃物が除去されることで一時的に代謝が上がり、崩れていた身体のバランスが正常に戻ろうとすることで起こります。
鍼灸の施術後に、一時的に症状がひどくなるケースもありますが、ご安心ください。
鍼灸の好転反応はいつまで続くの?
好転反応は、いつまで続くの?
いつまで続くのかは個人差があります。通常は1~3日でおさまります。
→40代男性の例:
施術後に下痢と発熱が2日続いたが、3日目にピタッと治まり、慢性的だった腰痛が和らいでいた。最初は不安だったが、施術者から「好転反応かもしれません」と説明を受け、冷静に対処できたとのこと。
好転反応(頭痛、下痢、めまい)が、ひどい場合…
鍼灸の施術後に、好転反応がひどい場合には下痢、めまいなどが起こる時もあります。
人によっては好転反応の出方は様々で、鍼灸の施術後3日目以降に好転反応がひどくなってくるケースもあります。
その場合、好転反応とは気付かず体調不良と勘違いしてしまうこともありますので、ご注意ください。
→体験談:20代女性
初回の鍼灸後は何ともなかったのに、3日後に急なめまいや吐き気が発生。「好転反応とは思わず、風邪かと思って薬を飲みそうになった」とのこと。後から聞いた説明で納得し、次回以降は備えるようになった。
鍼灸の好転反応が出やすい(ひどい)人の特徴について
鍼灸の好転反応が出やすい(ひどい)人の特徴
好転反応がひどくなりやすい特徴があります。
- 生活習慣が悪い
- 身体の歪みが強い
- 過度に疲労している
- 栄養状態が悪い
など、身体の状態が悪い人ほど好転反応が出やすい傾向にあります。鍼灸や整体を初めて受けた人も好転反応が出やすいです。
→50代男性の例:
長年の不摂生で疲労が溜まっていた状態で鍼灸を初体験。初回後に全身の倦怠感と下痢が2日続いた。施術者に「体内の毒素が動いた証拠です」と言われ、生活習慣を見直すきっかけにもなったという。
好転反応が出たら?
もし鍼灸の施術後に、好転反応がひどくなりやすそうであれば早めに対処していきましょう。対処法は以下の通りです
- 水分を摂る
- 安静にする
- 身体を温める(首・手首・足首がポイント)
- 軽い運動をする
- 下痢の時はスポーツドリンク
水分をしっかり摂って安静にしていれば問題ありません。血行を促進させると老廃物が流れやすくなりますので、身体を温めることも効果的です。
身体を動かすのが辛くなければ、軽い運動を行うとさらに血行が良くなり老廃物を排出しやすくなります。下痢をしている時は、スポーツドリンクを飲んで脱水症状にならないように注意が必要です。
→30代女性の例:
施術後にだるさが出たが、アドバイス通り「お風呂で温まり、スポーツドリンクを飲んでゆっくり休んだ」ら、翌朝にはスッキリ回復。「最初は不安だったけど、対処法を知っていて助かった」と話しています。
好転反応がひどい時のNG行為
好転反応がひどい時には、以下のことにご注意ください。
- 身体を冷やす
- 風邪薬を飲む
- 好転反応が出たから、途中で鍼をやめる
身体を冷やすと血流が悪くなり、身体を正常に戻そうとする働きにブレーキがかかってしまいます。風邪と勘違いして薬を飲むと、逆効果になる場合があります。
また、鍼は続けることに効果がありますので、途中でやめてしまうとせっかく効果が現れてもまたすぐに症状が戻ってしまいます。
→40代女性の例:
頭痛とだるさが出て「風邪かも」と自己判断で解熱剤を服用。症状が長引いてしまったが、後から好転反応と判明。「余計な薬は逆効果だったんだと後悔した」とのこと。以降は自然に任せるようにしている。
好転反応と揉み返しの違いは?
好転反応と揉み返しの違い
よく同じような症状で「揉み返し」という場合がありますが、好転反応と揉み返しは仕組みが違っています。
揉み返しは強すぎる刺激によって筋肉や組織が傷ついて炎症を起こした状態です。痛みが3日以上続いたり、内出血が起こっている場合は、揉み返しの可能性が高くなります。
→20代男性の例:
首こりの鍼治療後、翌日から施術部位にズキズキした痛みが3日以上続き、触ると違和感があった。施術者に相談したところ「揉み返しの可能性が高い」と説明され、冷やして安静にすることで楽になった。
揉み返しのチェックポイント
- 施術した箇所が痛い
- コリが(ひどい)強くなった
- 頭痛がする
揉み返しの場合は、炎症を鎮めるために痛い箇所を冷やすのも良いでしょう。
好転反応が収まらない(ひどい)場合は?
好転反応が収まらない(ひどい)
数日たっても症状が良くならない(ひどい)場合や、ひどくなってきた場合、我慢できない程の痛みや手足のしびれがある場合は、何か他の原因が隠れている可能性もありますので、病院を受診しましょう。
→60代女性の例:
鍼の翌日から手足にしびれを感じ、3日たっても改善せず病院へ。検査の結果、別の持病が関係していると判明。好転反応と思い込まず、早めに医師に相談したことが大事だったと語っています。
鍼を刺したところが痛い時
鍼は刺す場所によって痛みを感じる場合もあります。チクッとする時もありますが、ほとんどはズーンと思い鈍痛です。
これは「響き」といって、凝り固まった場所に鍼が刺さることで、身体が鍼を異物と判断して反応し、一時的に筋肉が収縮して起こる痛みです。
響きは悪い箇所にのみ起こりますので、響きが起こるのは鍼が効いている証拠で、気持ち良いと感じる人も多くいます。
【まとめ】鍼灸の好転反応 ひどい頭痛・下痢・めまい等について
鍼灸治療後に一時的に現れる「好転反応」とは、体が回復する過程で起こる頭痛、下痢、めまいなどの症状です。
鍼の刺激で血流が改善され、老廃物が排出される際に一時的な不調を引き起こします。
鍼灸の好転反応がひどい場合
特に頭痛やめまい、下痢が強く出ることがありますが、通常は1~3日で治まります。水分補給、安静、身体を温めるなどの対策で改善しやすくなります。
好転反応は、生活習慣が悪い方や疲労が蓄積している方に起こりやすいです。
鍼灸の施術後の注意点
好転反応が出た場合でも鍼を中断せず、身体を冷やさないように心がけましょう。血流が改善しないと症状が長引く可能性があります。
また、鍼灸後に起こる「揉み返し」との違いにも注意が必要です。揉み返しは強い刺激による筋肉の炎症で、痛みが3日以上続く場合があります。
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹

約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。