鍼治療(置き針や円皮鍼)をしてはいけない危険な場所とは?!
2025年10月29日
【この記事でわかること】
- 鍼灸治療は本当に危険なのか?
- 鍼を刺してはいけない「危険な場所(禁鍼穴)」とは?
- 置き鍼やセルフ鍼、円皮鍼のリスクについて
この記事では、鍼灸治療に対する「痛そう」「怖い」「危険では?」という不安に寄り添いながら、鍼灸の仕組みや効果、そして鍼を打ってはいけない場所(禁鍼穴)や注意点について解説しています。
「鍼に興味はあるけど、ちょっと怖い」「セルフで鍼をしても大丈夫?」という方に特におすすめの記事です。
結論として、国家資格を持つ鍼灸師による正しい施術であれば、安全性は高く、鍼の痛みや内出血などのリスクも最小限に抑えられます。
本文中では、置き鍼(円皮鍼)や好転反応、危険なセルフ鍼についても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
鍼灸治療について


鍼灸治療が初めてだと、来院される方の多くが“痛そうで怖い熱い“というイメージで、恐る恐る来院されます。
そこで、鍼は危険なのか、痛いのか、危険なデメリットはあるのかを今回ご説明していきます。
鍼灸の効果
まず鍼とは、身体のツボを刺激することで、自己治癒力を高め、リラックス効果のあるホルモンを分泌されやすくします。
そのため、自律神経のバランスが整い、恒常性を取り戻すことでストレス性や原因不明の症状などに特に効果があるとされています。
また、鍼を刺すことで血液やリンパの流れがよくなり、冷えやむくみが改善されたり、固くなっていた筋肉がほぐれ肩こりが改善されたりします。
体験談:
慢性的な肩こりと頭痛に悩み、口コミを頼りに来院されました。「注射も苦手で、鍼なんて絶対無理」と最初はとても緊張されていましたが、実際に施術を受けてみると「え?もう刺してるの?」と拍子抜けした様子。その後、何度か通ううちに症状は大幅に改善され、今では定期的にメンテナンス通院をされています。(40代・女性)
鍼治療の危険なデメリットは?
鍼治療のデメリットというのは、あまりないかもしれません。そこで、患者様から日頃よくある質問にお答えいたします。


鍼は痛くない?
当院では髪の毛くらいの細さの鍼を使用しているので、ほとんど痛みを感じません。
施術中に寝てしまう方も多くいらっしゃるので、安心して施術を受けて頂けると思います。
ズーンと響く、響き?
デメリットということはあまり感じませんが、あえて言うなら、筋肉が凝っている部分に鍼が当たると、鈍い感覚(ズーンと響く)を感じることもあります。
また、凝っている筋肉がほぐれてくると、鍼が響き電流が流れるように感じる場合もあります。
これは鍼が効いている証拠です。慣れればその響きが心地良く感じてくる方がほとんどですのでご安心ください。
しかし、当院では、無理に響きを与えたり、ズーンと感じられるような手技をすることはありませんので、ご安心ください。
内出血?
太い鍼を使用した場合に、どうしても避けられないのが内出血です。(当院では太い鍼を深く刺すことはしておりません)
血管が老化(動脈硬化・高血圧など)している場合には、より内出血しやすいので、注意が必要です。
鍼灸が効かない人はいる?
鍼灸治療が効かないと言われる人もいらっしゃるようですが、鍼灸治療は適切な施術を、鍼灸師のすすめる期間、回数しっかりと受けることで、つらい症状の改善効果が期待できます。
また、腕の良い鍼灸師を探し、信頼できる施術者から治療を受けることも大切なポイントですので、1度の施術で鍼灸は効かないと思ってしまうことは非常にもったいないです。
鍼(置き針や円皮鍼)を打ってはいけない場所(危険な場所)


鍼は危険?!
鍼灸師は国家資格を持っているので、正しく治療を行えば危険を伴う事はほとんどありません。
しかし、国家資格を持っていなかったり、意味もなくむやみやたらに鍼を大量に打ったり、胸周りや背中、肩や首など、肺の近くに深く鍼を打つことは危険です。
事故に繋がるリスクが大きくなります。来院する前にHPや口コミで鍼灸師の情報をしっかり見てから行くようにしましょう。
また、感染を心配されている方もいらっしゃいますが、最近では鍼灸院のほとんどが使い捨ての鍼を使用していますので感染する事はありませんのでご安心してください。
鍼を打ってはいけない場所(禁鍼穴)とは?
身体には、鍼を打ってはいけない危険な場所・禁鍼穴(きんしんけつ)があります。
例えば、目や脇、乳頭、首などは危険な場所になりますので、鍼を打ってはいけない場所です。
また、肺の臓器のある場所は、鍼を打ってはいけません。気胸になる恐れがあるので肺がある場所に深く刺すことは危険です。
首などの重要な血管がある場所も、深く刺すことは避けた方が良いでしょう。うまく鍼の刺し方を変えなければ非常に危険な場所です。
場所によっては置き針(円皮鍼)も危険!
置き針とは、鍼を患部に刺したまま、しばらく置いておく鍼灸の施術方法の一つです。
置き針として、首や肩、胸などに深く刺した状態で置いておくと、患者様が動いた際に、危険な場合があります。
置き針をする場合には、置き針をする場所も大切ですし、鍼灸師が患者様が危険な動きや動作をしないように細心の注意をしておく必要があります。
首にセルフで鍼をするのは危険!
あまりする方はおられないかと思いますが…。首や肩などの自分では見えないところに、セルフで鍼治療をしようとする方がおられます。
余程、熟練していないとデメリットが多く危険です。
首などの見えないところに手探りで鍼治療することは、非常に危険な行為ですので、鍼灸院で安心して鍼治療をしてもらいましょう。
頭部への鍼は、意外に大丈夫!
頭部への鍼は、意外と思われるかもしれませんが、あまり危険ではありません。頭蓋骨で頭全体が覆われているので、脳に刺さる心配はありません。
頭部は、鍼を打ってはいけない場所ではありません。頭部(顔以外)への置き針も意外と安全です。
鍼灸治療の【好転反応】


好転反応とは
鍼灸治療を受けた後や翌日に施術を受けた部分が痛くなったり、身体が怠いと感じたりすることがあります。
身体の思わぬ反応に焦る人もいるかと思いますが、それは『好転反応』によるものかもしれません。
好転反応とは、身体が回復に向かっている過程でおこる症状ですので、鍼灸治療の効果が出ている証拠とも言えるでしょう。
鍼灸治療により全身の血行が良くなり、今まで滞っていたリンパや酸素が一気に身体を巡ります。
同時に毒素や老廃物も一気に身体中を巡るため、好転反応として身体に不調が表れてしまうのです。だいたい2~3日経てば良くなるので、あまり心配しなくても大丈夫です。
体験談
不眠と自律神経の乱れで来院。初めての鍼治療後、だるさと微熱のような感覚に驚き、不安になって電話で相談がありました。しかし、それが「好転反応」であることを説明すると安心され、「2日後には体がすっきりして驚いた」と喜びの声。その後も継続して通い、今では睡眠の質が大幅に改善しています。(30代・男性)
効果が出るまでに差がある

人によって回復を期待するゴール地点が異なります。身体本来が持つ自然治癒力も、年齢やこれまでの身体の使い方も人それぞれです。
不調を感じる症状や度合いも人によって異なるため、鍼灸治療の効果が実感できるまで差が出来るという事になります。
関連記事:鍼灸治療の【危険なデメリット】とは?首に刺すのは危険?
【よくある質問】鍼灸治療(置き針、円皮鍼)をしてはいけない危険な場所とは?!

Q1. 円皮鍼(置き鍼)は首に貼っても安全ですか?
A.
基本的に円皮鍼は比較的安全な鍼具とされていますが、頸動脈が走行する首の前面(喉のあたり)への使用は避けるべきです。
また、頚部には重要な神経や血管が集中しており、むやみに刺激を与えると自律神経反射や迷走神経反射が起こる可能性もあります。
とくに高齢者や血圧不安定な方は注意が必要です。
参考文献:医学専門雑誌・書籍の電子配信サービス 新版 経絡経穴概論 第2版第13刷
参考文献:厚生労働省「あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師(通称:あはき師)について」
Q2. 円皮鍼はどの部位に貼ってはいけないですか?
A.
以下の部位は原則避けましょう:
- 眼球・口唇・粘膜・乳頭・陰部
- 動脈が表在する部位(首の前面・鼠径部など)
- 皮膚炎や傷口がある部位
- 強い神経症状(しびれ、麻痺)が出ている部位
誤って貼ると感染症リスクや神経障害、血管損傷のリスクがあります。
参考文献:スポーツ選手に対する円皮鍼の有害事象に関する前向き調査研究
Q3. 首に置き鍼をしたら気分が悪くなった…なぜ?
A.
これは「迷走神経反射(副交感神経の過剰な反応)」の可能性があります。
頚部への刺激により、一時的に血圧低下や脈拍低下、吐き気や冷や汗を感じることがあります。
このような症状が出た場合はすぐに鍼を外し、安静にする必要があります。
参考文献:円皮鍼(えんぴしん)とは?効果的な使い方や注意点をまとめて紹介
参考文献:刺鍼 の深 さにつ いての実態調査
日本臨床鍼灸医学会:「刺鍼時の偶発症と対策」
Q4. 円皮鍼を長時間貼っていても大丈夫?
A.
基本的には1~2日以内での貼り替え・取り外しが推奨されています。
長時間貼ったままだと以下のリスクがあります:
- 皮膚炎(接触性皮膚炎、かぶれ)
- 感染症
- 金属アレルギー
特に首や汗をかきやすい部位では、皮膚トラブルが起きやすいため注意が必要です。
参考文献:円皮鍼を徹底比較!痛みの少なさ・目立たなさ・価格・レビューを大検証!
参考文献:使用期限切れ円皮鍼の破損に関する注意
Q5. 鍼灸初心者でも首に円皮鍼を貼っても大丈夫?
A.
自己判断での首(特に前面)への円皮鍼の使用は避けた方が安全です。
鍼灸師による評価のもと、安全な部位(肩、背中、腕、脚など)から始めることが望ましいです。首は繊細な部位であり、軽い刺激でも意識障害などのリスクが否定できません。
参考文献:公益社団法人 全日本鍼灸学会 鍼灸安全対策ガイドライン 2025 年版(改訂第 2 版)
参考文献:より安全な鍼灸臨床のためのアイデア(1)
【まとめ】鍼灸治療(置き針、円皮鍼)をしてはいけない危険な場所とは?!

鍼治療の危険なデメリットはある?
- まれにズーンと響く、響きなど(これは鍼が効いている証拠)しかし、当院では、ズーンと感じられるような手技をすることはありません。
- 稀に内出血(太い鍼を使用した場合に、どうしても避けられないのが内出血)当院では太い鍼を深く刺すことはしておりません。
鍼は危険?
国家資格を持っていなかったり、意味もなくむやみやたらに鍼を大量に打ったり、胸周りや背中、肩や首など、肺の近くに深く鍼を打つことは危険です。
鍼を打ってはいけない場所(禁鍼穴)
身体には、鍼を打ってはいけない危険な場所・禁鍼穴(きんしんけつ)があります。例えば、目や脇、乳頭、首などは危険な場所で、鍼を打ってはいけない場所です。
また、肺の臓器のある場所は、鍼を打ってはいけません。気胸になる恐れがあるので肺がある場所に深く刺すことは危険です。
首などの重要な血管がある場所も、深く刺すことは避けた方が良いでしょう。うまく鍼の刺し方を変えなければ非常に危険な場所です。
置き針も危険?
置き針として、肩、胸などに深く刺した状態で置いておくと、患者様が動いた際に、危険な場合があります。
首にセルフでするのは危険!
首や肩などに、セルフで鍼治療をしようとする方がおられます。余程、熟練していないとデメリットが多く危険です。首などの見えないところに手探りで鍼治療することは、非常に危険な行為です。
参考文献:j-stage 禁 針 穴 の 研 究 (第1報)
参考文献:全日本鍼灸学会 鍼灸安全対策ガイドライン
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹

約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。












