上手く育たない卵胞を改善する方法
2024年10月30日
【この記事でわかること】
- 卵胞が育たない主な原因と身体的・精神的な要因
- 卵胞が育ちにくい時の改善策(生活習慣・食事・治療法)
- 卵胞発育を促す栄養素や体質改善のポイント
この記事では、「卵胞が育たない」ことで悩んでいる方に向けて、その原因や考えられる病気、生活習慣や食事の見直しによる改善方法について詳しく解説しています。
「排卵がない」「タイミングを取っても妊娠しない」と不安を抱えている妊活中の女性にとって、この記事は希望と方向性を与える内容です。
結論として、ホルモンバランスやストレス、食生活の乱れが卵胞の発育に大きく関係しています。生活改善や必要に応じた医療的サポートによって、妊娠の可能性を広げることができます。
本文中では、豆乳・和食・運動などの食事アドバイスや、体外受精・クロミッドの使用など医療的選択肢もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
卵胞が育たない原因


卵胞とは、卵巣の中に存在する卵子が入っている袋状のもののことをいいます。そして、その卵胞が上手く育たない原因には、大きく分けて3つの要因が考えられます。
中枢性排卵障害(女性ホルモンのバランスの乱れ)
中枢性排卵障害としては、主に女性ホルモンのバランスの乱れによるものです。
体に強いストレスがあると、卵胞の発育や排卵に必要な女性ホルモンの分泌を促す「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」というホルモンの分泌が抑制されてしまいます。
その影響で卵胞が育ちにくくなることがあります。
多嚢胞性卵巣症候群
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とは、未熟な卵胞が卵巣内に多くとどまることによって、排卵障害を引き起こす病気です。
排卵障害の原因としては、卵巣中の卵胞発育や排卵を促すホルモンの異常が、主な要因として考えられます。
高プロラクチン血症
高プロラクチン血症とは、脳からプロラクチンというホルモンが過剰に分泌されている状態のことをいいます。
プロラクチンは、本来授乳期に分泌されるホルモンなのですが、過剰に分泌されてしまうことによって、卵胞の発育や排卵に必要なホルモンの分泌を阻害してしまう恐れがあります。
卵胞が育たない大きな問題は、「ストレス」
卵胞が育たない原因には、ストレスを溜めてしまうことが、大きく影響します。
ストレスが脳に負荷をかけてしまうことにより、本来分泌されるはずのホルモンを抑制したり、分泌されすぎるホルモンが出現したりします。
その結果、体内のホルモンバランスは乱れホルモン分泌が減少する影響で、卵胞が上手く発育しなくなってしまうのです。
卵胞が育たない原因には、排卵障害も影響がある


卵胞が育たない原因には、排卵障害も影響があると考えられます。
排卵障害とは
排卵障害とは、排卵させるまでの間に異常がおき、卵が育たない、または育っても上手く排卵できないことをいいます。
排卵障害かどうかを見極める方法
排卵障害かどうかを見極める方法は、基礎体温を確かめることです。
一般的に、排卵前には卵胞刺激ホルモンの影響で体温は下がります。また、黄体化ホルモンが分泌され、排卵を境に体温は上昇するのが正常な基礎体温の変化です。
しかし、この基礎体温の変化がみられない、または生理不順が続くといった場合も排卵障害を疑ったほうがよいでしょう。
排卵しないと、卵胞どうなる?
排卵が起こらない場合、卵子は排出されません。卵胞も黄体に変化しませんので、本来の生理も起こりません。
しかし、エストロゲンの分泌により厚くなった子宮内膜がはがれて出血が起こると、生理がきたと勘違いしてしまいます。これが「無排卵月経」です。
無排卵月経の場合、出血がだらだらと続いたり、生理周期が乱れたりなどの症状がみられます。
排卵障害【症状】
排卵障害を引き起こすと、症状としては、
- 月経が来ない(無月経)
- 排卵がたまにしか起こらないため、月経の周期が長びく(稀発月経)
などがみられます。
排卵障害【改善】
排卵障害を改善するためには、十分な睡眠をとるなど生活のリズムを整え、規則正しい生活をするといった体の状態を整えることが重要になります。
薬剤による治療法などもありますが、まずは不規則な生活を改め、バランスの良い食事を摂るなど心がけましょう。
また、適度に有酸素運動を行うことで身体的・精神的ストレスも緩和されます。
簡単な生活改善をすることで、排卵が自然と起こり、妊娠される方も数多くいらっしゃいます。
卵胞が育たない時の改善方法について


卵胞が育たない時の改善方法
卵胞が上手く育たない場合には根本からの改善が必要です。
具体的にどのような改善を行うのかというと。
- 内臓機能を改善する
- 食生活を改善する
- 子宮や卵巣の歪みを改善する
内臓機能の改善
内臓の機能が低下していると、排泄が上手く出来ず、栄養も上手に吸収することができません。
つまり子宮や卵巣の状態が悪くなって、卵子に栄養や血液がいかなくなってしまうのです。
また、呼吸が浅くなるので酸素が体内で上手く循環しなくなり、同時に内臓が温まらず冷えてしまうことも考えられます。
内臓を調整していくことで冷えも改善し、卵胞に栄養を円滑に行き届かせ、卵胞の育ちを改善させていきます。
食生活を改善
トランス脂肪酸が多いマーガリンや洋菓子、菓子パンなどを食べると女性ホルモンのエストロゲンの分泌が過剰になってしまいます。
その結果、健康な体を作るための栄養素が摂れなくなってしまうのです。
消化が追いつかなくなると、内臓の働きが低下し血液の質が悪くなったり、ホルモンの状態が悪くなります。
エストロゲンが過剰になると、黄体機能不全や卵胞が上手く育たない、排卵障害や月経過多などの原因になります。
他にも、偏った食生活(食べ過ぎや外食など)も禁物です。バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。
子宮や卵巣の歪みを改善
卵胞が上手く育たない方は、子宮や卵巣に歪みや硬さがある方が多いといわれています。歪んでいると機能が低下して、卵胞が育たない原因になります。
骨盤の歪みを改善することで、子宮や卵巣が歪みや機能低下を改善していくと良いでしょう。
→体験談:
30代前半のAさんは、半年以上タイミング法を続けても妊娠に至らず、クリニックで不妊検査を受けました。すると「卵胞が育ちにくい体質」と診断されました。医師からは「ストレスの影響もあるかもしれませんね」と言われ、生活習慣の見直しや鍼灸治療を開始。数か月後、自然排卵が確認され、念願の妊娠に至りました。「自分を責めるよりも、自分を整えることが大事だった」と語っています。
育たない卵胞を改善するには


上手く育たない卵胞を改善するには、
自律神経やホルモンバランスの乱れを整える
自律神経やホルモンバランスの乱れを改善するには、ストレスを減らすことが最も重要です。
また、内臓機能の低下も発育を妨げる原因となりますので、体の冷えにも注意するようにしましょう。
肝臓の機能をよくする
生命維持に重要な臓器である肝臓。アルコールの過剰摂取や糖分や脂肪分の摂りすぎなどは、肝臓の働きを悪くしてしまう原因となります。
ビタミンEを含むアーモンドやナッツ類、ほうれん草やブロッコリーなどを摂るようにし、肝機能を良くしましょう。
細胞を活性化させる
細胞を活性化させるには、体を冷やさないこと、笑うこと、頑張りすぎず、よく眠ること、軽く体を動かす有酸素運動をすることがおすすめです。
頑張りすぎずに程良く試みてください。こんなに簡単なことで、免疫力をあげることも出来ますし卵胞を育てることにもつながっていきます。
育ちが遅い卵胞を改善するには、食事も大切!


卵胞の育ちが遅くなる原因には、普段の生活習慣や食生活に問題があることが多いです。
また、過度なストレスは排卵障害を起こしてしまう原因にもなりますので、ストレスを溜め込まないように努め、規則正しい生活を送るよう心がけましょう。
食生活の改善においては、BMI25以上の肥満の方は、減量と運動により多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が改善される場合が多く報告されています。
食習慣の改善と運動によって、6ヶ月間で5〜10%の減量を目標としましょう。しかし、過度なダイエットは排卵障害を引き起こす原因となりますので注意しましょう。
育たない卵胞を改善するには、食べ物
卵胞を育てるためには普段の食事改善も大切です。
気をつけたい事のひとつとして、「添加物などを減らす」ことが大事です。添加物や砂糖、油などには特に気を付けるようにしましょう。
洋食よりもなるべく和食を摂るようにし、アマニ油やえごま油など卵胞に良いものを摂ることを心がけるようにすると良いでしょう。
食べ過ぎや、チョコレートやお菓子などは卵胞を育てるためのホルモンを抑制してしまいますので、摂取する量には注意が必要です。
卵胞が育たない方は、豆乳がおすすめ
まず、卵胞を育てるためには卵胞刺激ホルモンという女性ホルモンの分泌を促すことが必要です。
豆乳に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンを増やす成分なのですが、よく似た働きをする栄養素が含まれています。
質の良いタンパク質を摂取できる豆乳は、女性ホルモンや卵子の栄養源になります。
また、抗酸化作用も含まれますので、卵子の質が低下するのを予防することも可能です。
卵胞を育てることに直接的なつながりはありませんが、過剰に摂取しない限りは妊活中の女性には、豆乳はメリットとなるでしょう。
卵胞育たない【体外受精】


体外受精では、卵巣刺激を行って排卵誘発剤を使用することで、卵胞を複数発育させることができます。これは主に、複数の卵子を得るために行われるものです。
1つの卵胞を発育させることを目的とした、一般不妊治療の排卵誘発剤の使い方とは異なります。
卵胞が育たないには、強制リセット
強制リセットとは、生理を薬で起こさせて月経周期を早める事をいいます。また、自然と生理が来ることもリセットと呼ばれることがあります。
体外受精では、排卵誘発をさせたり月経をコントロールすることで、質の良い卵子を育て体内へと戻します。
月経をコントロールすることによって、良いタイミングで採卵できたり体内へ戻せたりすることがメリットとなります。
そして、妊娠していればそのまま経過を観察し、妊娠が継続しやすい環境を整え、妊娠が成立していない場合は、生理が来て再び月経周期が繰り返されます。
このような流れの中で、強制リセットやリセットが行われることがあります。
卵胞が育たない場合には、クロミッドを使う
不妊治療において、排卵誘発剤はよく使用されるのですが、その中でも最も多く処方されるのがクロミッド(クロミフェンクエン酸塩)かと思われます。
クロミッドは、排卵障害、排卵期のエストロゲンが十分に高くならない、黄体機能不全、といった症状のある場合に用いられます。これを服用することによって、
- 排卵が促される
- 排卵日が早くなり、定まる
- 排卵される卵子の質が良くなる
- 黄体ホルモンの分泌が増加する
などの効果が期待されます。
クロミッドは視床下部にある下垂体というところに作用し、ホルモン分泌を促すことができます。
ホルモン分泌が促され卵巣が刺激されることによって、卵胞は発育しますので上手く卵胞が育たない方にもよく処方されることがあります。
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【よくある質問】上手く育たない卵胞を改善する方法

Q1. 卵胞がなかなか育たないのはなぜ?どんな原因がありますか?
卵胞が育たない原因には、加齢やホルモンバランスの乱れ(特にFSH・LH・E2の異常)、ストレス、低AMH(卵巣予備能の低下)、甲状腺機能異常、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などが挙げられます。
🔗参考文献:トーチクリニック 卵胞が育たない原因とは?症状や不妊症について
Q2. 卵胞が育ちにくい周期でも妊娠する可能性はありますか?
完全に排卵しない場合は妊娠は難しいですが、育ちが遅くても最終的に排卵すれば妊娠の可能性はあります。
ただし、周期のばらつきが大きい方は排卵誘発やタイミング法の調整が必要です。
🔗参考文献:日本生殖医学会 生殖医療 Q&A (旧 不妊症 Q&A)
Q3. 卵胞の成長が遅い場合に試せる治療法はありますか?
クロミッドやレトロゾールなどの排卵誘発剤の調整、FSH注射(hMG/hCG)、漢方(当帰芍薬散など)、鍼灸、生活習慣の見直し(睡眠・食事・運動)などが検討されます。
🔗参考文献:日本生殖医学会 Q11.生殖補助医療にはどんな種類があり、どこに行くと受けられますか?
🔗参考文献:日本生殖医学会 生殖医療ガイドライン
Q4. 強制リセット(排卵誘発の中止)になるのはどんな時ですか?
排卵誘発をしても卵胞が育たない場合、または複数の卵胞が過剰に発育しすぎてOHSSのリスクが高いときに、中止(=強制リセット)されることがあります。
🔗参考文献:排卵誘発剤 内田クリニック
Q5. 卵胞の育つスピードが遅い時、自分でできることはありますか?
冷えやストレスを避ける、体を温める、適度な運動、抗酸化食品(ビタミンE・亜鉛・葉酸など)、腎を補う中医学的ケア(鍼灸や漢方)などが推奨されます。
🔗参考文献:卵胞が育たないのはなぜ?原因と良質の卵胞を育てる方法を解説
関連記事:妊活における【体質改善の期間】
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【まとめ】上手く育たない卵胞を改善する方法

卵胞(らんぽう)は、卵子が入っている袋のようなもので、これが育つことで排卵が起こります。でも、ストレスやホルモンバランスの乱れなどの理由で、卵胞がうまく育たないことがあります。
たとえば、勉強や仕事で毎日が忙しく、夜ふかしや食事が不規則になっていると、体のリズムがくずれてホルモンもうまく出せなくなります。ホルモンが乱れると、卵胞が育たなくなることがあるのです。
他にも、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)という病気や、プロラクチンというホルモンが出すぎる病気が原因になることもあります。こうした場合、病院で検査や治療が必要になります。
改善方法としては、まずは生活の見直しが大切です。早寝早起きを心がけて、食事もバランスよくとるようにします。おかしや脂っこい食べ物ばかり食べないようにしましょう。また、適度に体を動かすことも、ホルモンのバランスを整えるのに役立ちます。
さらに、豆乳に含まれる大豆イソフラボンという成分は、女性ホルモンに似た働きがあり、卵胞を育てる手助けになることもあります。ただし、飲みすぎには注意が必要です。
それでも改善が見られない場合には、病院で薬を使った治療(クロミッドなど)を行うこともあります。体外受精をする場合は、薬を使って卵胞を育てる治療が行われます。
大切なのは、自分を責めるのではなく、自分の体と向き合ってケアしていくこと。焦らず、できることから少しずつ始めていきましょう。卵胞が育つためには、あなたの体と心のバランスがとても大切なのです。
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹

約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。












