胚移植後に夜中に起きてしまうのはなぜ?
2025年04月7日
【この記事でわかること】
- 胚移植後に夜中に起きてしまう原因とは?
- ホルモンやストレスが睡眠に与える影響
- 夜ぐっすり眠るための具体的な対策
この記事では、胚移植後に起こりやすい「睡眠トラブル」について解説しています。
ホルモンバランスやメンタルの変化、夜勤などの生活リズムの乱れが睡眠に与える影響と、リラックス法・生活習慣の見直しなどの具体的な対策をわかりやすく紹介します。
「夜中に何度も起きる」「不安で眠れない」と悩んでいる方や、妊活中の夜勤のある看護師・介護士の方にもおすすめです。
結論として、睡眠の質はちょっとした工夫や生活リズムの意識で改善が可能です。
本文中には、鍼灸による自律神経ケアや実際の体験談なども解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
胚移植後に夜中に起きてしまう原因とは?

ホルモンの変化による影響
胚移植をすると、体の中ではたくさんのホルモンが働き始めます。たとえば、プロゲステロンというホルモンが増えると、眠気を感じやすくなることがあります。でもこのホルモンは、人によっては眠りを浅くしてしまうこともあるのです。
眠りが浅いと、夜中にちょっとした音や暑さ、トイレのためにすぐ目が覚めてしまうことが増えてしまいます。
ストレスや不安による影響
「赤ちゃん、ちゃんとできるかな?」「体に負担がかかってないかな?」といった不安な気持ちも、夜に目が覚めてしまう大きな原因です。
とくに、妊娠判定を待っている期間は、気持ちが落ち着かず、寝付きが悪い、眠れない、睡眠不足など、心の面からも睡眠がさまたげられることがあります。
夜中に起きないための対策と生活のポイント

リラックスできる環境をつくろう
夜にぐっすり眠るためには、寝る前の時間の使い方が大事です。スマホを長く見たり、考えごとをしすぎたりすると、頭が冴えて寝つきが悪くなってしまいます。
おすすめは、次のような習慣です:
- ぬるめのお風呂にゆっくり入る
- アロマや音楽でリラックスする
- 寝る前はスマホを見ない
こうすることで、眠りのスイッチが入りやすくなり、深く眠れるようになります。
生活リズムを整えることも大事
特に看護師さんなど夜勤がある人は、毎日同じ時間に寝るのがむずかしいかもしれません。でも、できるだけ起きる時間や食事の時間を決めることが大切です。
また、日中に15分~30分くらいの昼寝をするのも効果的です。ただし、長く寝すぎると夜に寝られなくなるので注意しましょう。
→体験談:
30代の女性で、体外受精後の判定日を待つ間、「毎晩2~3回は目が覚めてしまう」と悩んで来院された方がいました。看護師として夜勤があり、不規則な生活が続いていたことも影響していたようです。鍼灸治療で自律神経を整えながら、寝る前のルーティンを一緒に見直したところ、睡眠が改善。「不安も減り、気持ちが安定した」と話してくれました。
関連記事:胚移植後の下腹部痛(ズキズキする痛み)
【よくある質問】胚移植後に夜中に起きてしまうのはなぜ?

Q1. 胚移植(胚移植)後、眠れなくなることは普通ですか?
はい。移植後はホルモン変化・体調変化・緊張(2週間待ちなど)が重なって、眠りが浅くなったり夜中に目が覚めたりする人が少なくありません。
実際、体外受精(体外受精/IVF)を受ける女性の中で、睡眠時間が7時間未満となる割合が高いという報告があります。
参考文献:Sleep in women undergoing in vitro fertilization: a pilot study
Q2. 夜中に何度も目が覚めるのは「 着床」に影響しますか?
今のところ「夜中に起きる=着床失敗」という明確な根拠はありません。ただし、睡眠の質が極端に悪いとホルモンや体調に影響を与え、IVF/移植の結果にも関係する可能性があるという研究があります。
ですので、「眠れていない」と感じたら無理せず眠りを整える対策を取ることが賢明です。
参考文献:Does Poor Sleep Quality Impact IVF Success?
Q3. 寝付きが悪かったり深く眠れなかったりする原因は何でしょう?
主な原因として、①ホルモン補充(プロゲステロンなど)による体の変化、②移植後の「2週間待ち(結果を待つ不安)」という心理的ストレス、③お腹への違和感や鍼灸・注射など治療の影響、があげられます。
例えば「移植後の不眠」はこのような複数の要素が絡み合って起こることが多いです。
参考文献:Best Position to Sleep After Embryo Transfer
Q4. 「眠りが浅い=移植の成功率が下がる」って本当ですか?
研究によると、睡眠の質が良い人ほど移植後の成功の可能性がやや高いというデータがあります。
例えば「質の悪い睡眠」があると若年女性(35歳未満)で臨床妊娠や生児獲得率が下がる可能性があるという報告があります。
ただし、これは確定的ではなく「眠れない=必ず失敗」というわけではありません。
参考文献:The impact of sleep on in vitro fertilization embryo transfer outcomes: a prospective study
Q5. 眠りを改善するためにできることはありますか?
はい、いくつかおすすめの方法があります。
例えば、決まった時間に寝起きする、寝る1時間前はスマホを控える、寝室を涼しく静かにする、軽いストレッチや深呼吸をする、寝る姿勢を仰向けまたは左側を向く、といったことです。
移植後は特に「お腹に負担をかけない寝姿勢」も推奨されています。
参考文献:What Is the Best Sleeping Position After Embryo Transfer?
【まとめ】睡眠トラブルも妊活の一部。焦らず、自分のペースで

胚移植後に「夜中に起きる」「眠れない」「眠りが浅い」などのトラブルを感じるのは、とても自然なことです。ホルモンの変化や、不安な気持ち、生活のリズムの乱れが重なると、どうしても眠りにくくなってしまいます。
でも、それはあなたの心や体ががんばっている証拠でもあります。
眠りにくさを感じたら、まずはできることから少しずつ試してみましょう。たとえば、寝る前にスマホをやめてみる。お風呂でリラックスする。朝の光を浴びる。どれもすぐに始められることばかりです。
また、仕事で夜勤がある方は、自分を責めないことがとても大切です。完全な生活リズムが作れなくても、工夫次第で体を休ませる方法はたくさんあります。
妊活は、体も心も大きく動く期間。だからこそ、無理をせず、自分のペースで過ごすことがいちばんです。睡眠トラブルは一時的なもの。焦らずに、安心できる毎日を作っていきましょう。
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹

約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。












