エストラジオール(E2)が基準値よりも高い人・低い人の【原因と症状】
2024年04月12日
目次
エストラジオール(E2)について (基準値・原因など)
女性ホルモンのうち最も重要なのが「エストロゲン」というホルモンです。
女性らしい体(排卵、月経、妊娠の維持)等を作り、妊娠には欠かせない重要な役割を担っています。不妊治療にとって、非常に大切なホルモンがエストロゲンです。
今回は、エストラジオールが高い・低いと、どおなる?症状は?更年期障害との関連性などについてご紹介します。
エストラジオール(E2)とは
エストラジオール(E2)とは、女性の体の機能に重要な女性ホルモンである「エストロゲン」の主要成分です。卵巣や胎盤で作られ、排卵直前に最も多くなり排卵後に急激に減少します。
エストロゲンには、エストロンとエストリオールという他の成分も含んでいますが、エストラジオールが最も多く含まれます。
エストラジオールの基準値
閉経の約2年前からじわじわと減少していき、閉経の半年ほど前からは、急激に減少します。
・20~40代前半(性成熟期)の基準値
卵胞期 19.0~226.0
排卵期 49.0~487.0
黄体期 78.0~252.0
*妊娠中 780.0~44915.0
・40代後半~の参考値
閉経期 39.0 以下(測定不能の場合も)
※40代後半~50代(閉経後)には、エストラジオールはほとんど分泌されなくなります。
エストラジオールの数値(基準値よりも高い・低い)で分かること
女性ホルモンの検査では、血中のエストラジオール値を測るのが一般的です。
エストラジオール値によって、
- 卵巣機能
- 更年期
- 閉経
の可能性などが分かります。
また、排卵前に数値を調べると、排卵日の予測がつきます。
エストラジオールの数値は、高くても低くても問題があり、基準値が保たれていると妊娠しやすくなります。
婦人科系の病気が疑われる際に、血液検査でエストラジオールの値を調べることで、卵巣機能が正常かどうかなどが分かります。
【原因】基準値よりも高い場合・低い場合
エストラジオール値が高い場合や低い場合には、「加齢」や「卵巣機能不全」などの原因が考えられます。
- 加齢…加齢によってエストラジオールの数値は低くなります。エストラジオールの量は性成熟期の20~30歳でピークになり、30代に入ると徐々に低下しはじめます。閉経後(50歳前後)には、エストラジオールはほとんど分泌されなくなります。
- 卵巣機能不全…エストラジオールのほとんどが卵巣で作り出されているので、卵巣機能に何かの問題があると数値が乱れてしまいます。エストラジオールをうまく作り出せない場合や、たくさん作り過ぎてしまうケースがあるようです。
エストラジオール【基準値よりも高いとどおなる?】原因&症状
エストラジオール【高い原因】① 卵巣刺激症候群(OHSS)
エストラジオールが高い場合は「卵巣刺激症候群(OHSS)」という病気(症状)の可能性があります。
主な高い原因は、HMG(不妊治療を行う中で排卵誘発剤)を投薬することによる副作用です。
体外受精では卵子の数を増やすために卵巣刺激を行いますが、これによって起こりうる副作用が卵巣過剰刺激症候群(OHSS)です。
まれですが、エストラジオールの分泌量が急激に高くなることがあります。急激な値の変化は卵巣過剰刺激症候群の可能性があります。
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の症状
吐き気や下腹部痛、体重の急な増加、尿量の減少などの症状が現れます。卵巣が腫れて腹水がたまり、重苦しい、不快感、痛みなどを感じます。
- 軽症…安静と痛み止めで経過を見ます。
- 中等症…腹水が
- へその下までになり、不快感や膨満感はひどくなり、体重が増えます。同じく安静と痛み止めで経過を見て、妊娠しなければ軽快します。
- 重症…腹水がへその上まで溜まり、入院が必要となります。この場合妊娠していることが多いですが、中絶が必要になる場合もあります。
エストラジオール【高い原因】② 多胎妊娠の可能性
また、エストラジオールの数値が高い場合、多胎妊娠の可能性があります。HMGの排卵誘発の場合、多胎妊娠になる可能性は20%と言われています。
エストラジオール【高い原因】③ 肝臓の機能
エストラジオール値は、肝臓の機能にも関係しています。
肝臓には体内に入った毒素を体から排出する働きがありますが、エストロゲンの原料を作ったり、分解して正常に保つ働きもあります。
肝臓の機能が低下すると、エストロゲンが高くなってしまいます。
鍼灸では肝臓の機能を整えて、エストロゲンの濃度を安定させる効果が期待できます。
エストラジオール【基準値よりも低いとどおなる?】原因&症状
エストラジオール【低い原因】→ 更年期、閉経
エストラジオールが低い場合は、妊娠するための女性ホルモンが十分に分泌されていない状態です。卵胞の成長が促進されず、排卵まで至っていない可能性があります。
エストラジオールは卵巣から分泌される女性ホルモンなので、その値が低い場合は更年期もしくは閉経と考えられます。
エストロゲンは、40代前後から急激に減少し始めるホルモンで、更年期ではエストラジオールが正常に満たない人が増えてきます。したがってこの数値を見ると更年期かどうかが分かります。
また排卵後のエストラジオールの分泌量が低い場合には、子宮内膜が十分に厚みを増しておらず、受精卵ができたとしても、着床しにくい環境になっている可能性があります。
不妊治療を成功させるためにも、低い値であれば、基準値まで高めていきたいです。
基準値よりも低い場合の症状
- 生理不順
- 無月経
- 肌荒れ、情緒不安定、不眠、むくみ
といった症状が現れることもあります。
不妊治療に限らず、40代に入るとホルモンバランスが乱れ、様々な症状が出てきますので、不調を感じた場合は、早めに婦人科で検査をすることが望ましいです。
エストラジオールが【基準値よりも低い】と、更年期障害になる?
更年期
女性は加齢に伴って卵巣の働きが低下し、エストロゲン(エストラジオール)の分泌量が減少し低くなっていきます。
これは更年期になれば、ほとんどの女性に起こる生理現象です。40代~50代頃に分泌量が減ったのであれば、特に心配する必要はありません。
早期閉経
更年期の年齢ではないのに、何らかの原因でエストラジオールの分泌量が少ないと、若い年齢で閉経を起こして、更年期のような症状を招く場合があります(早期閉経)。
早発閉経を起こすと月経がなくなるため、妊娠したくてもできないなど、様々な問題が起こり得ます。完全に閉経が起こる前に発見して、治療を行うことが大切です。
閉経時期に感じる更年期障害の症状
- ほてりや発汗
- 不眠などの自律神経失調の症状
- 不安感、抑鬱、恐怖感といった心の変化
エストラジオールの数値(基準値よりも高い・低い)を改善しよう
エストラジオールの数値が【基準値よりも低い】
エストラジオールの数値が低くなる時には、その原因に対する処置が必要です。
卵巣機能の低下であれば、ホルモン補充療法でエストラジオールを人工的に増やします。
エストラジオール数値が【基準値よりも高い】
エストラジオールの数値が高いときは、卵巣に「エストロゲン産生腫瘍」ができている可能性も考えられます。
エストロゲンを過剰に分泌する腫瘍が、卵巣内にできた状態なので、腫瘍を取り除く外科的手術が必要になります。
エストラジオール数値(基準値よりも高い・低い)には、日常生活が大切
エストラジオールなどの女性ホルモンは、普段の日常生活によっても「高い」「低い」など、大きく左右されてしまいます。
高い低いを改善するためには、
- 質の良い睡眠
- 栄養バランスの取れた食事
- ストレスを溜めない
- 適度な運動など
基本的な健康的生活を送ることが大切です。
体全体の調子が良くなると、エストラジオールなどの数値も自然に治まってきます。生活習慣はとても大切です!
【まとめ】エストラジオール(E2)が基準値よりも高い人・低い人の【原因と症状】
エストラジオールの基準値
・20~40代前半(性成熟期)の基準値
卵胞期 19.0~226.0
排卵期 49.0~487.0
黄体期 78.0~252.0
*妊娠中 780.0~44915.0
・40代後半~の参考値
閉経期 39.0 以下(測定不能の場合も)
※40代後半~50代(閉経後)には、エストラジオールはほとんど分泌されなくなります。
エストラジオールの数値(基準値よりも高い・低い)で分かること
エストラジオール値によって、
- 卵巣機能
- 更年期
- 閉経
の可能性などが分かります。また、排卵前に数値を調べると、排卵日の予測がつきます。
エストラジオールの数値は、高くても低くても問題があり、基準値が保たれていると妊娠しやすくなります。
婦人科系の病気が疑われる際に、血液検査でエストラジオールの値を調べることで、卵巣機能が正常かどうかなどが分かります。
エストラジオール【基準値よりも高い原因】
- 卵巣刺激症候群(OHSS)
- 多胎妊娠の可能性
- 肝臓の機能
エストラジオール【基準値よりも低い原因】
エストラジオールが低い場合は、妊娠するための女性ホルモンが十分に分泌されていない状態です。卵胞の成長が促進されず、排卵まで至っていない可能性があります。
エストラジオールは卵巣から分泌される女性ホルモンなので、その値が低い場合は更年期もしくは閉経と考えられます。
エストロゲンは、40代前後から急激に減少し始めるホルモンで、更年期ではエストラジオールが正常に満たない人が増えてきます。したがってこの数値を見ると更年期かどうかが分かります。
また排卵後のエストラジオールの分泌量が低い場合には、子宮内膜が十分に厚みを増しておらず、受精卵ができたとしても、着床しにくい環境になっている可能性があります。
不妊治療を成功させるためにも、低い値であれば、基準値まで高めていきたいです。
エストラジオールが【基準値よりも低い】と、更年期障害になる?
女性は加齢に伴って卵巣の働きが低下し、エストロゲン(エストラジオール)の分泌量が減少し低くなっていきます。
これは更年期になれば、ほとんどの女性に起こる生理現象です。40代~50代頃に分泌量が減ったのであれば、特に心配する必要はありません。
また、更年期の年齢ではないのに、何らかの原因でエストラジオールの分泌量が少ないと、若い年齢で閉経を起こして、更年期のような症状を招く場合があります(早期閉経)。
エストラジオール数値(基準値よりも高い・低い)には、日常生活が大切
エストラジオールなどの女性ホルモンは、普段の日常生活によっても「高い」「低い」など、大きく左右されてしまいます。
高い低いを改善するためには、
- 質の良い睡眠
- 栄養バランスの取れた食事
- ストレスを溜めない
- 適度な運動など
基本的な健康的生活を送ることが大切です。
体全体の調子が良くなると、エストラジオールなどの数値も自然に治まってきます。生活習慣はとても大切です!
執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹
約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。
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