椎間板ヘルニア
2019年08月13日

椎間板ヘルニアとは
椎間板(ついかんばん)ヘルニアとは、背骨(椎骨と椎骨)の間で、クッションの役割である軟骨(椎間板)の一部が飛び出して、神経を圧迫している状態です。
どんな痛みが出るの?
この病気は主に、首や腰に出ます。
頚椎(けいつい)椎間板ヘルニア
手や腕などに、痛みやシビレが出ます。
基本的に、ヘルニアが発生する場所により、症状の出る場所も違います。
腰椎(ようつい)椎間板ヘルニア
腰~お尻~足などの下半身に痛みやしびれが出て、動かしにくい等の症状が出ます。
20~40歳代の、どちらかと言えば、男性に多く、整形外科では非常にポピュラーな病気と言えます。
ヘルニアは、無症状のものから、腰痛や、麻痺してしまうケースなど様々です。
あまり痛みやシビレがない場合もあれば、神経の敏感なところにヘルニアが当たり、激痛で夜も寝れないこともあります。
初期症状
手足の症状(シビレ、マヒなど)が出る前に、首や腰の痛みだけを感じる事もあります。
急に症状が、出ることもあれば、徐々に出ることもあります。
原因
- 強い負荷による椎間板の劣化
- 生活習慣などの環境的要因(姿勢・動作)
- 外傷や遺伝的要因(元々持っている体質・骨の形)
- 姿勢(反り腰・猫背)
- 肥満による椎間板への負荷
- 加齢による劣化
- 喫煙(喫煙は、毛細血管の血流を悪化させる恐れがあります)
椎間板には、座ったり、立ったまま前屈みになるといった姿勢や動作で、実は体重の約2・5倍の圧力がかかると言われます。
このような動作の繰り返しで、椎間板に負担がかかり、飛び出るケースも多いと考えられています。
治療(手術)
基本的には、保存療法と手術の2種類があります。
大抵のヘルニアは、保存療法が第一選択となりますが、場合によっては、手術が必要になるケースもあります。
保存療法
①神経ブロック
激しい疼痛を抑えるために、局所麻酔やステロイド薬を注射し、和らげます。
②薬物療法
非ステロイド性消炎鎮痛薬や筋弛緩薬を使って、疼痛を抑えます。
③理学療法
疼痛が落ちついたら、筋肉を強化するための筋トレや、身体の「牽引」などが行われます。
手術
椎間板ヘルニアの手術には、大きく2通りあります。
①直接椎間板を摘出するもの
大きく切開後、器具で固定する手術など、状態によっては長期の入院が必要となるケースがある。
②レーザーで引っ込ませる
レーザーなどを用いて、椎間板の圧力を減らし、ヘルニアを引っ込ませるもの。
比較的ダメージが少なく、日帰りで行うケースがほとんど。
レーザーの場合には、重度の病態には通用しない事もあり、それぞれ一長一短と言えます。
一般的に、痛みの強い初期は、腰に負担をかけないようにします。
薬物療法やブロック注射、コルセット、リハビリ等の保存的治療で軽くなることもあります。
下記のような状況には、手術が選択されます
- 保存的な方法では、効果がみられないケース
- 進行性の麻痺(脚の力が入らない等)を伴う
- 排尿障害を伴う
- 強い疼痛が長く続き、日常生活に支障が出る場合
手術も最近では、体に負担の少ないように行われるようになってきています。
今の自分に合った対応は何か、専門医にご相談ください。
治る期間
保存的治療には、最低1ヶ月程度、経過を見ていきます。
長い時には、3ヶ月程度の期間を取り、様子を見ていくケースもあります。
通常は、このように様子を見てから、必要な状況であれば、手術に切り替えます。
進行すると
膀胱直腸障害(尿や便が出づらくなる)や麻痺による筋力低下が出現します。
このように深刻な症状が現れた場合には、すぐに手術をする事になります。
個人差がありますが、8割くらいのケースでは手術が必要なく、保存的治療(手術をしない治療)で治っていきます。
ヘルニアを早く治す方法
腰へ負担を減らすだけでなく、負担に耐え得る身体を作る事も大切です。柔軟性を上げたり、筋肉を鍛えましょう。
痛みを和らげる方法
①適度な運動
無理のない範囲で継続するのが大切です。
次のような運動がおすすめです。
- 腕を大きく振りながらのウォーキング
- ジョギング
- スイミング
- 水中ウォーキングなど
②体重コントロール
食生活の見直し・改善は、重要です。
体重をコントロールする為に、「食べないダイエット」はオススメ出来ません。
食べないと、結果、筋肉量が減少してしまいます。
その為、栄養のバランスを考えた食事を心がけ、体重を標準体重に保つことが大切です。
筋肉が無いと、体を動かす時に椎間板に負荷がかかり、ヘルニアを起こす可能性が高くなります。
食生活面に加えて、適度な運動の継続で筋肉を動かし、適切な体重にコントロールしていきましょう。
③姿勢を正す
PCやスマホに向かう際、同じ姿勢を長時間続けるのは、意識して控えるようにしましょう。
やってはいけないこと
中腰での作業や、重たい物を持つなど、腰に負担をかけないようにしましょう。
お仕事などで、どうしても避けられない場合には、コルセットなどでサポートしましょう。
ストレッチ
腰痛のセルフケアには、ストレッチが有効です。朝晩、欠かさず続けましょう。
ひざ抱えのストレッチ
- あおむけに寝ます。
- 片方の脚を伸ばした状態で、もう片方の膝を両手で抱え、胸にゆっくりと引き付けます。
- そのままの姿勢で10秒キープ、そしてゆっくり元に戻します。反対側も同様にします。
ひざ伸ばしのストレッチ
- あおむけに寝て、片方の膝を立てます。
- 膝を立てた状態からゆっくり膝を伸ばし、そのまま10秒キープし、ゆっくり下ろします。反対側も同様にします。
完治するのか?
脊髄の神経細胞は、一旦死んでしまうと、それを元に戻すことは出来ません。
どこまで元の生活に戻れるかは、初期発症時の症状で、大体決まると言われています。
最初の状況が、自力で歩行できるか、筋力の低下があるのか、排尿の障害、失禁などの症状が、どれほどあるかで判断されます。
予防・再発防止の為に
実はヘルニアを防ぐ一番の方法は、腰痛の「回数を減らす」ことです。
ほとんどは、日常生活における何気ない姿勢や動作が原因になりますので、工夫をしてみましょう。
すでにヘルニアを持っている方も、再発防止になります。
ストレッチをしたり、体重の増加に気をつけたり、筋力強化にも気をつけましょう。
東洋医学的には
ヘルニアは、筋・骨・関節の疼痛・腫脹・しびれ等を、主症状とする状態で”痺証″と言います。
痺証とは
身体のエネルギーが弱っている時に、
風邪(春先の風)・寒邪(冬の冷え・冷房)・湿邪(梅雨の湿気や雨)が、体内に侵入して、エネルギーの流れが滞ることで、疼痛や腫脹・しびれ等の症状が出ます。
ヘルニアは、普段の体質に、気候的変化(冷え・湿度など)の影響をとても受けやすい疾患であるとも言えます。
根本的な体質改善が大切であり、牽引などで腰椎を引っ張るといった一時的な治療では、再発を繰り返します。
はり灸で、ヘルニアが発症しない体質に改善しましょう。
症例
豊中市 38歳 看護師 I.E様
1週間前から腰痛が悪化、下肢へのチリチリとした神経痛が出現。気になって夜も眠れない。
今回こそ、しっかり根本から治したいと当院へ。
今まで、様々な整骨院などを巡り歩いたが、楽になったという実感が持てなかった。
当院では、しっかり説明があるので、安心感が持てると、頑張って通院された。
日常生活の中に原因が隠れており、それをしっかり説明とアドバイスをさせて頂いた。
歪みの矯正をして、自宅で出来る体操やストレッチもお伝えした。
施術3か月で、ひどい神経痛もなくなり、ほぼ以前の元気な状態に戻った。
豊中市 パート(立ち仕事)45歳 K.N様
冷え性。3年前に腰痛がひどくなり、下肢にシビレが出るようになった。
仕事で腰に負担がかかり、なかなか良くならない。趣味はゴルフだが、シビレが悪化するのではと思うように行けない。
今回は、1週間前に、あまりにも痛いので病院に行き、椎間板ヘルニアと診断された。
施術を重ねるごとに、腰痛が軽減され、冷えも取れてきた。施術5回目で、腰痛がほぼ無くなった。
施術12回目で、シビレなどの神経痛も10→3にまで回復され、喜ばれていた。豊中からも来院多数!
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