自然流産?【胎嚢(見た目)】が出た後、どうする?
2024年06月19日

「出血があるけど大丈夫?」「お腹の赤ちゃん、ちゃんと育ってるのかな…?」
妊娠初期は、毎日が不安と隣り合わせ。次の診察までの時間がとても長く感じられ、少しの変化にも「もしかして…」と心配になってしまいますよね。
特に、急な出血や腹痛、何かが排出されたような感覚があると、「これって大丈夫?」「もしかして流産…?」と動揺してしまう方も少なくありません。
この記事では、自然流産によって胎嚢らしきものが出たときの対応や、その後どうすればいいのかを、分かりやすくご説明していきます。
目次
自然流産?【胎嚢(見た目)】が出た後どうする?
妊娠初期は、次の診察までが長く、赤ちゃんが生きているか、お腹の中にきちんといるか等、心配になる方が多いと思います。
自然流産など、染色体異常や遺伝子の病気などが原因で流れてしまうケースも妊娠初期には多い為、出血や腹痛があると、とても不安になると思います。
今回は、もし胎嚢らしきもの(見た目)が出た後どうしたら良いか、胎嚢の見た目や胎嚢が出る時はどういう状態になる事が多いか、自然流産についてご説明いたします。
【①進行流産】 胎嚢が出た後どうする?
胎嚢が流れてしまう自然流産には、①進行流産と②稽留流産があります。
「進行流産」
進行流産とは、ほとんどの場合胎嚢が排出してしまっています。出血が増えてきて、腹痛が強くなったと感じたら、比較的短時間のうちに胎嚢(塊など)が排出されます。
→体験談:
夜中にお腹が痛み出し、トイレで白っぽい塊が出ました。翌朝病院に電話したところ、「念のため持ってきて」と言われ、ビニール袋に入れて受診。検査の結果、完全流産との診断で、特別な処置は必要ありませんでした。
「胎嚢らしきものが出た後」どうする?
出血と一緒に血の塊や、白っぽい塊が見えればそれが胎嚢です。胎嚢の大きさはだいたい1㎝~2㎝程度ですので、気づかないまま胎嚢が排出されていたというケースも多いです。
胎嚢が排出されたと気付いたら、排出した胎嚢を出来るだけ、ビニール袋等に回収し、冷蔵庫に一時的に保存してください。(捨ててしまった、トイレに流れたという方もおられますが…)
当日または翌日に(遅くとも翌々日までに)病院を受診しましょう。病院に持参した胎嚢は病理検査に提出されます。
病院では子宮内に胎嚢の遺残がないかどうか超音波検査を行います。遺残がなければ完全流産として、子宮内環境が回復し月経が戻るのを待ちます。
【②稽留流産】
稽留流産とは、赤ちゃんは子宮の中にいるのに、心拍が確認できない状態のことです。
→体験談:
妊娠8週目で心拍が確認できず、「稽留流産」と言われました。自然排出を希望し待機しましたが、2週間経っても変化がなく、結局手術を選択。早く終わった分、気持ちを切り替えやすかったです。
【稽留流産】と診断された場合の対応
稽留流産と診断された場合、胎嚢が自然に排出するのを待つ『①待機的管理』と、器具を用いて胎嚢を排出する『②手術療法』の2つの方針があります。
一般的には胎嚢の大きさが10㎜以下の場合には原則、待機的管理、胎嚢の大きさが30㎜以上の場合、手術療法を勧めます。
なお、胎嚢の大きさが30㎜以内では尿hCG値が高く、子宮内の出血が多い場合は胎嚢が小さくても、流産手術を勧めることがあります。
※胎嚢の大きさだけでなく、ホルモン値や出血の状況なども加味して治療方針が決定されます。不安な場合は、主治医としっかり相談しましょう。
①【自然排出】を待つ場合
自然排出を待つ方針を「待機的管理」と言います。
「自然排出」の場合
- 生理痛のような痛みを伴う人が多い
- 出血が多くなり、出血と共に胎嚢が出てくるケースが多い
- 金銭的な負担は小さい
- いつ排出が起きるか分からないため、日常生活に支障をきたす可能性がある
- 不全流産の可能性もあり、そうなった場合治療期間が長引く
- 長期間待機しても排出されない場合、手術が必要になる
胎嚢らしき物が出た後には…
腹痛、出血、胎嚢らしき物(見た目)が出た後は、出来るだけ安静にして鎮痛剤で対処してみて下さい。
出血量が多く、普段の生理の量が多い日よりも遥かに出血量が多く続く場合は、クリニックを受診しましょう。
→体験談:
自然に任せたいと思い、出血が始まってから3日後に腹痛が強まり、塊が出てきました。痛みは生理より少し強い程度でしたが、量が多く心配で受診。子宮内に遺残はなく、安堵しました。
②【手術で取り出す】場合
- 確実な排出を望める
- 手術は日帰りで行われるのでスケジュールに支障をきたしにくい
- 早期に流産を解決できるため、日常生活への復帰がしやすい
- 手術合併症のリスクはある(術後感染や子宮穿孔など)
- 保険適応有。手術台はだいたい1万円台
→体験談:
稽留流産と診断され、翌日に日帰りで手術を受けました。術後は1〜2日で体調が戻り、仕事復帰もスムーズでした。術後出血もほとんどなく、短期間で心身ともに区切りをつけられたのが救いでした。
【流産の時期】による出血量の違い
流産が起こる時期によって、出血の量・見た目・症状には大きな差があります。
このように、妊娠週数が進むほど流産時の症状が強くなる傾向があります。少しの変化でも、不安な場合はすぐに医療機関へ相談しましょう。
【まとめ】自然流産?胎嚢らしきもの(見た目)が出た後どうする?
胎嚢らしきものが出た後どうする?
出血と一緒に血の塊や、白っぽい塊が見えればそれが胎嚢です。胎嚢の大きさはだいたい1㎝~2㎝程度で、気づかないまま胎嚢が排出されていたというケースも多いです。
胎嚢が排出されたと気付いたら、排出した胎嚢を出来るだけ、ビニール袋等に回収し、冷蔵庫に一時的に保存してください。
当日または翌日に(遅くとも翌々日までに)病院を受診しましょう。
胎嚢らしき物が出た後には…
腹痛、出血、胎嚢らしき物(見た目)が出た後は、出来るだけ安静にして鎮痛剤で対処してみて下さい。
出血量が多く、普段の生理の量が多い日よりも遥かに出血量が多く続く場合は、クリニックを受診しましょう。
【流産の時期】による出血量の違い
- 妊娠初期の流産…妊娠の初期の流産では、少量の性器出血が唯一の徴候になることがあります。
- 妊娠中期~後期の流産…週数が進んでからの流産になると、大量出血となることがあり、血液に粘液や血の塊が含まれていることがあります。
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹

約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。