無月経の原因と鍼灸治療のポイント
2024年05月8日

【この記事でわかること】
- 無月経の種類や原因について
- 無月経を放置するリスクと体への影響
- 鍼灸による無月経改善のアプローチと実際の症例
本記事では、「生理が3ヶ月以上来ない」「妊娠できるか不安」といったお悩みを抱える方に向けて、無月経の原因・種類・治療方法をわかりやすく解説します。
特に、冷えやストレスによるホルモンバランスの乱れに対し、鍼灸がどのように作用するかをご紹介。
無月経は放置すると不妊や骨粗鬆症の原因になることもありますが、体質を整えることで改善できる可能性がある症状です。
本文中には、実際の症例や冷え対策、お血改善のポイントなども解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
無月経とは?
生理が3ヶ月以上来ない状態を言います。
当院には、生理が来なくて来院される方も非常に多いです。鍼灸を用いて、症状を取るだけでなく、全身の不調和を改善し、体の中から体調を良くしていきます。
【原因】無月経
原発性の場合
- 子宮や卵管が、正常に発達できていない先天異常の病気
- 通常2本ある染色体が、1本しかないターナー症候群
- 視床下部、下垂体、卵巣の機能などの異常が原因です。
続発性の場合
- 視床下部、下垂体、卵巣、甲状腺、生殖器の機能異常
- ホルモンの異常を伴うクッシング症候群
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
- 過度なダイエットや精神的悩みからのストレスが、原因です。
【種類】無月経
原発性無月経
18才を過ぎても一度も生理が起きない。(極めて稀なケース)
日本人の平均初経年齢は、だいたい12歳です。一般的には14歳までに98%が初経が来ると言われています。
続発性無月経
元々生理があったにも関わらず、ある時点から生理が3ヶ月以上停止したもの。婦人科では非常に頻度の多い疾患です。
健康な状態で月経が止まるケース
- 妊娠によるもの
- 閉経によるもの
- 授乳中によるもの の3つがあります。
無月経の治療
原発性無月経
様々な病気を持っている可能性があるので、正しい診断が必要です。
処女膜や膣が閉鎖している場合には手術をします。ホルモンの異常の場合は、ホルモン療法を行います。
続発性無月経
原因となる疾患の有無、妊娠をすぐに望んでいるか、などによって治療法が異なります。
- 脳下垂体に腫瘍などがある場合は、手術療法。
- 妊娠をすぐに望む場合は、排卵誘発剤。
- ダイエットやストレスが原因の場合は、ホルモン補充療法とカウンセリングを行います。
【日常生活のチェックポイント】無月経
無月経を放置すると
【骨への影響】無月経を放置
将来、体に深刻な影響を及ぼすケースがあります。その一つが骨への影響です。骨は女性ホルモンの作用で、10~20代にかけて急激に密度が高まります。
この時期に生理が来ない状態が続くと、女性ホルモンの量が少なくなり、骨の密度が低い状態になります。その結果、骨粗鬆症になる恐れが出てきます。
その他にも、子宮体がんリスク、摂食障害、うつ、不妊症などの原因になります。
【妊娠できるの?】無月経を放置
「たまにしか来ないから、ラク!」と、ポジティブにとらえていませんか?
生理が止まったら、将来、不妊症で困ってしまうかもしれません。放っておかずに産婦人科の受診をオススメ致します。
また、卵巣そのものの疾患がある時も婦人科を受診して下さい。
最近のダイエットブームにより、思春期以降の未婚の方が無月経になるケースが増えています。
その多くは、急激な体重の減少によって視床下部の調子が乱れ、ホルモンのバランスが崩れる事から起きてきます。
また、ストレスや環境変化によってホルモンの分泌が悪くなり、排卵が起こらなくなる事もあります。
その場合には、将来赤ちゃんが産めなくなる心配はありませんから、焦らずに治していきましょう。鍼灸がとてもオススメです。
無月経は【お血】が関連している
無月経には【お血】を取り除くことが大切です。
お血とは
腹部の血行不良によって血流が停滞し、ドロドロになる状態です。
生理中のドロッとした経血の固まり、経血が出切らず、ちょっとずつ続いたりするのも、無月経につながる場合があります。
また、腹部が固くなることが多く、生理痛や不妊の元にもなります。
血は五臓六腑の「肝」と関連がありますので、肝の働きを助けるように、鍼灸で体の内側から整えてあげると良くなっていきます。
また、体重減少、ストレス、 薬の副作用の軽減などにも、カウンセリングや施術を通じてのアプローチが有効です。
全身のバランスを整え、免疫力を高めて改善していきましょう。
お血改善のポイント
基本は「食事、睡眠、排便」が大切です。バランスの良い食事、ぐっすり眠って、すっきり排便。これがうまく揃うことが大切です。
さらに、万病の元である肩こり、腰痛、冷え性、疲労感、イライラするといった身体の不快な症状や精神的負担を減らすことで、ホルモンバランスの良いカラダになっていきます。
鍼灸で冷えを取ろう!無月経対策!
鍼灸で冷えを取ろう!
冷えは身体に相当なダメージを与える為、生理周期の乱れや生理痛だけでなく、妊活をする上でも不利になります。
当院では局所の施術だけではなく、全身調整を行うことで体質改善をしっかりしていきます。
何度か施術していくうちに、慢性的な冷えや生理不順、肩こりなどの症状も緩和していきます。もちろん患者さんによっては、一回の施術で実感される方もいます。
その日に、体質が劇的に変わるものではありませんが、施術を続けることで徐々に体質が変わっていきます。
冷えが改善されると
- 基礎体温が高くなり、免疫力がアップする
- 睡眠の質が良くなる
- 排便の調子が良くなる
- 体質が良くなってくる
- 女性ホルモンのバランスも整う
等、様々な機能が上がります。
そして、結果的には生理痛が無くなったり病気をしにくい身体になっていき、妊娠出来る体へと近づいていきます。豊中市でお悩みなら当院にお任せを!
よくある質問と回答(FAQ)
Q1. 無月経はどのくらい放置すると危険ですか?
A. 無月経が3ヶ月以上続くと、ホルモンバランスの乱れが慢性化し、骨粗鬆症や不妊のリスクが高まります。早期に婦人科を受診し、必要であれば鍼灸や生活改善も取り入れることが重要です。
Q2. 無月経でも妊娠できますか?
A. 無月経の原因によっては妊娠可能です。特に続発性無月経であれば、排卵誘発や体質改善によって妊娠の可能性が高まるケースもあります。焦らずに体調を整えることが第一歩です。
Q3. 鍼灸は無月経にどのように効果があるのですか?
A. 鍼灸は「冷え」や「お血(血行不良)」を改善し、自律神経やホルモンバランスを整えることで、生理周期を回復へ導くことが期待されます。実際の症例でも、体温や排卵の改善がみられています。
Q4. 無月経の原因として多いのは何ですか?
A. 原因で多いのは、過度なダイエット、強いストレス、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)などです。これらが視床下部や卵巣の働きを低下させ、無月経を引き起こします。
Q5. 鍼灸はどのくらいの期間続ければ効果が出ますか?
A. 体質や症状により個人差はありますが、数回の施術で冷えや体調の変化を感じる方もいます。多くの場合、3〜6ヶ月程度の継続施術で月経周期の安定や排卵の回復がみられます。
【症例】無月経
豊中市 無月経 自営業 36歳 I.H様
3~4ヵ月ほど、生理が無い状態が続いている。(半年ほどない時期もある)
無い状態が続くので、かえって楽だという思いもあったが、年を重ね、結婚や子供の事を考えると、このままではいけないと思い、ネットで探して来院。
体質を変えて、身体の中から元気にしたい。基礎体温はガタガタで、しっかりとした高温期がない。
自営で仕事をされている為、ストレスや不安が大きい。生活時間が不規則で、睡眠も不規則。
冷え性。やせ型。下痢気味。生理が来るように、しっかり体力をつけ、高温が増えるように施術する。
施術5回目、疲れにくくなってきた。15回目、足の冷えが軽減し、下痢をする頻度が減ってきた。
20回目、基礎体温が二層に分かれて、排卵が起きるようになってきた。施術半年が過ぎ、生理が無い期間が少なくなってきた。
しかし、自分の力で、しっかり生理が起きるように、これからも体調管理として通院を続けてもらいたい。
豊中市 無月経 22歳 大学生 N.T様
高校生の頃から生理不順で、3ヵ月くらい来ないことも頻繁にある。生理痛、冷え性、胃腸が弱い。
大学の頃、婦人科で、無月経と診断され、ホルモン剤を処方された。薬での副作用で、吐き気や頭痛が出るので、あまり服用しなかった。
今になっても生理不順が改善されず、母親の紹介で当院へ。
施術8回目で、35日周期ほどではあるが、生理が来るようになった。冷え性も楽になり、胃腸の不調も最近は無くなってきた。
この女性はまだ若く、妊娠出産の事は、まだ考えていないようである。
しかし、いずれ妊娠を希望したときに、生理が来ないとか、ホルモンのバランスが悪い状態では、妊娠の時期が遅れてしまう可能性がある。
このまま良い状態を維持できるように、しっかり話し合いながら、継続通院中。
豊中市 無月経 家庭教師 38歳 T.E様
約1年前から生理が安定せず、今回は約2カ月前から来ていない。生理時の腹痛、腰痛、睡眠不足、精神的に波がある。
ネットで探して、当院へ。最初は週に2回のペースで通院。腰、仙骨周辺(次膠穴、中膠穴)に反応が大きく見られる。お灸を中心に施術。施術3ヵ月で生理が来た。
【まとめ】無月経の原因と鍼灸治療のポイント
無月経の原因
原発性無月経の場合
・子宮や卵管が、正常に発達できていない先天異常の病気
・通常2本ある染色体が、1本しかないターナー症候群
・視床下部、下垂体、卵巣の機能などの異常が原因です。
続発性無月経の場合
・視床下部、下垂体、卵巣、甲状腺、生殖器の機能異常
・ホルモンの異常を伴うクッシング症候群
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
・過度なダイエットや精神的悩みからのストレスが、原因です。
鍼灸治療で冷えを取ろう
冷えは身体に相当なダメージを与える為、生理周期の乱れや生理痛だけでなく、妊活をする上でも不利になります。
何度か施術していくうちに、慢性的な冷えや生理不順、肩こりなどの症状も緩和していきます。もちろん患者さんによっては、一回の施術で実感される方もいます。
冷えが改善されると
・基礎体温が高くなり、免疫力がアップする
・睡眠の質が良くなる
・排便の調子が良くなる
・体質が良くなってくる
・女性ホルモンのバランスも整う
等、様々な機能が上がります。
鍼灸で妊娠しやすい体作りを一緒にしてきましょう。
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹

約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。