子宮内膜症で来院
2016年04月22日
目次
子宮内膜症とは?
子宮内膜は、受精卵が着床しやすいように徐々に肥厚し、着床しなかった場合には、月経によって体外へと排出されます。
子宮内膜症とは、本来であれば子宮の内腔にあるはずの子宮内膜が、子宮以外の場所に発生する病気です。
子宮以外の場所とは、卵巣やダグラス窩、S状結腸、直腸、仙骨子宮靭帯、膣、外陰部、膀胱、腹腔などです。
直接、命に関わる病気ではないのですが、強い月経痛で仕事を休まなければいけなくなったり、「生活の質」が低下する場合が多くみられます。
以前は、30~40代に多い病気でしたが、初経の年齢が早くなってきているので、患者さんも低年齢化していると言われ、最近は10~20代にも増えています。
ところが、この体からのサインを見逃している人は、意外に多いのです。
特に30~40代は、仕事の忙しさなどを理由に、自分の体のことを二の次にしてしまいがちです。
例えば不正出血があったとしても、『そのうち止まるだろうから様子を見よう』などと自己判断してしまいます。
放っておくうちに、子宮の病気が進行してしまう場合もあります。
特徴
女性全体の約5~10%程度に見られるとされています。
初潮から年が経つほど増加するとされており、10代には少なく、20代、30代と増加していき、40代でピークとなります。
授かりにくくなる原因にもなり兼ねないので、早期に発見し、治療していきましょう。
特に、妊娠したことがない方や、月経周期が短い、期間が長い女性になりやすいのが特徴です。
閉経を迎え、卵巣からのホルモン分泌が無くなると、子宮内膜症の症状も治まる傾向にあります。
このような症状はありませんか?
- 生理が重い
- お腹がはる
- 下腹部痛
- 腰痛
- 痛み止めの量が増えてきた
- 経血量が多い
- 経血にレバー状のかたまりが混じる
- 排便痛
- 性交痛
- なかなか妊娠しない
1つでも当てはまれば、可能性があるのでご注意ください。
症状
最も多いのが、生理の時の非常に強い痛みです。約9割の方にみられます。
また、月経時以外に生じる下腹部痛や腰痛、排便痛、性交痛といった痛みも多いです。
その他、不正出血、多量の経血、月経困難、不妊などの症状がみられます。内膜症は、生理のたびに進行していきますので、月経の回数が多いほど進行していきます。
ですので、年々重くなっていく傾向がみられます。
卵管に生じて卵管障害を起こせば、排卵による卵子の通行を妨げてしまいます。
卵管に癒着がなく排卵があったとしても、内膜症がある事で妊娠しにくくなるとも言われています。
子供を望むのであれば、不利に働くので、専門医に相談しましょう。
子宮内膜症が原因で不妊症に?
必ずしも不妊に繋がるわけではないですが、 原因不明患者の50%に内膜症が見つかると言われています。
骨盤内に起こると、癒着を起こしやすく、卵管や卵巣の周辺に内膜症が起こると、 癒着のために卵管が狭くなったり塞がれたりしてしまいます。
そうなると、排卵によって成熟した卵子が放出されても、卵管が本来の働きを行えず、妊娠が成立しないのです。
若い女性は、少しでも病気を軽くするために、 気づいたら早めに治療に取りかかりましょう。
改善法
- 睡眠をしっかりとる
- 腰やおなか、足もとを温める
- 軽くからだを動かして、血流をよくする
- リラックスして過ごす
- 規則正しい生活
- 栄養バランスのよい食事
- ストレス発散
一番良いのは予防を心がけることです。発症している場合には、やはり根本治癒を目指しましょう。
西洋医学としては
- 手術療法
- 薬物療法
- 人工授精
- 体外受精 など
いずれを選択するかは、症状の種類、程度、進行度、年齢、赤ちゃんの希望の有無などを総合的に考慮して決めます。
子宮内膜症に対してのはり灸
内分泌の調整
ホルモンの分泌が、正常に行われていない場合は、不妊症になりやすくなります。
例えば、無排卵や排卵障害(排卵がうまくいかないなど)は、ホルモン分泌が正常に行われていない可能性があります。
また、着床障害(受精卵が子宮内膜に着床しにくい)も、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)などの分泌が上手く行われていない可能性があります。
子宮内膜が、着床に適した状態になっていないのです。
妊娠に関係する様々なホルモンは、それぞれが互いに影響し、連携していますから、どこかに異常があれば、メカニズムがスムーズに正しく働きません。
はり灸によって、バランスよく分泌させ、授かりやすい身体にしていきましょう。
卵巣機能の回復
当院のはり灸は、西洋医学的だけでなく、東洋医学的に身体を診ていきます。
五臓六腑(肝、心、脾、肺、腎)のバランスが、うまく取れるように施術を行います。
はり灸で、お腹を温めて、ストレスを和らげ、血液の滞りを取っていきます。
西洋医学と比べて、穏やかですが、より根本的と言えます。
施術法は、年齢や妊娠の希望の有無など、どのようなライフスタイルを選択するかによって異なってきますので、よく相談して決めていきます。
この病気の治療が、「子宝への鍵」になることもよくあります。
婦人科系疾患は、東洋医学的には、「肝」や「腎」と関係が深いと言われますが、はり灸によりその経絡のバランスを取り、卵巣の機能も回復させて確率を上げていきます。
当院での施術では、一人一人に合った施術を組み立てていきます。
妊活の最大の問題は、「年齢」です。赤ちゃんを希望される方は、少しでも早く妊活を始めた方が良いでしょう。
症例
川西市 子宮内膜症 教師 36歳 T.S様
冷え症、肩こり、下痢で困っている。結婚3年目。二度の流産の経験。
元々持っている病気や体質を変えたいと当院へ。体質が変わったら赤ちゃんが欲しい。
卵胞が育たず、基礎体温も二層に分かれていない。冷えをいつも感じ、頭痛も頻繁。
最初は週2で、安定したら週1で通院。
5回目で、肩こりや頭痛が改善され、体温が上がってきた。
生理痛も無くなり、日々の生活がかなり楽になってきた頃、2016年10月に妊娠が分かった。
川西市 子宮内膜症 看護師 35歳 N.I様
半年前から、生理前になると下腹部が非常に痛み、生理2日目までつらく、痛み止めを服用する。身体が冷えて、足がいつも冷えている。
腰痛と肩こりに悩んでいる。頻繁に頭痛もある。自律神経も乱れ気味で、精神的に波がある。お腹が全体的に硬い。
はり灸で、気をしっかり補い、気の流れを良くするように施術する。棒灸を使い、身体の芯までしっかり温まるようにした。
3か月ほど通院してもらうと、生理痛が半減し、とても喜ばれている。将来、妊娠を望んでいるので、継続通院中。
川西市からも多数お越し頂いています!
関連記事
この記事に関連するページ
- 関連ページはまだありません。
執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹
約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。