多嚢胞性卵巣症候群の症状とは?【気をつけること&自分でできること】
2016年04月21日
目次
多嚢胞性卵巣症候群(pcos)とは?
多嚢胞性卵巣症候群(pcos)とは?
多嚢胞性卵巣症候群 (polycystic ovary syndrome : PCOS)とは、「両側の卵巣が腫大・肥厚・多嚢胞化し、月経異常や不妊に多毛・男性化・肥満などを伴う症候群」と定義 されています。
女性の20~30人に1人の割合で発生していると言われています。
卵巣の表面を覆っている膜が厚く、そのために排卵が起こりにくくなり、卵巣内に卵胞が多く作られる状態を言います。それが妊娠の妨げになることがあります。
超音波画像では、卵巣の皮膜に沿って卵胞がネックレスのように繋がって見える「ネックレスサイン」という特徴的な所見が見られます。
まるで真珠のネックレスのように見られることから、そう呼ばれています。
【原因】多嚢胞性卵巣症候群
はっきりとした原因は分かっていませんが、一般的には下記のように言われています。
- ホルモンバランスの乱れ
- 卵巣の機能低下
- 肥満
- 遺伝
- 自律神経のバランスなど、様々です。
症状が悪化すると、排卵障害などの不妊症の原因になるのでご注意ください。
【判断基準】多嚢胞性卵巣症候群
- 月経異常がある(排卵しない、排卵しにくい)
- 血液中の男性ホルモンが多い
- エコーで多嚢胞性卵巣が見られる
※多嚢胞性卵巣が見られても、月経異常やホルモンの異常を伴わない場合は、多嚢胞性卵巣症候群としては診断されません。
【症状】多嚢胞性卵巣症候群
症状① 生理不順
無排卵、または排卵が遅れる事により、生理不順を引き起こす。
症状② 不妊症
排卵ができない事で、妊娠しづらい状態となる。
症状③ 肥満
内分泌バランスの乱れによって、インスリン抵抗物質が影響し、肥満になる可能性がある。
症状④ 多毛・ニキビなど男性化の傾向がある
内分泌バランスの乱れで、女性なのに男性ホルモンが多いことで様々な症状が出てきます。
- 多毛
- ニキビ
- 声の低音
- 胸が小さくなる
- 声が低くなる
- 筋肉が増える
などの男性化。
症状⑤ 黄体機能不全
排卵・ホルモンの分泌が不安定になり、黄体機能不全を引き起こすことがある。
多嚢胞性卵巣症候群と卵巣嚢腫の違い
卵巣嚢腫とは?
通常親指大くらいの卵巣が大きく腫れる状態を「卵巣腫瘍」といいます。
そのうち、液体が溜まる症状があるものを「卵巣嚢腫(嚢胞性卵巣腫瘍)」といい、卵巣腫瘍の80%程度を占めています。
卵巣嚢腫の多くは良性
卵巣嚢腫の多くは良性ですが、まれにがん化するものもあります。
【気をつけること&自分でできること】多嚢胞性卵巣症候群
気をつけること&できること① 肥満(痩せると治るかも)
多嚢胞性卵巣症候群は、肥満を改善する(痩せる)ことで症状や状態が改善することがあります。
気をつけること&できること② 砂糖断ち
痩せると治る可能性がありますので、砂糖断ちがおすすめです。白砂糖や甘いもの、添加物、冷たいもの、過剰な水分摂取などを控えましょう。
肥満の改善には生活習慣(食事)の見直しが大切で、特に食事内容を野菜中心のメニューに見直してみましょう。
気をつけること&できること③ ストレス解消
ストレスによって多嚢胞性卵巣症候群は悪化しやすくなりますので、うまくストレスを解消していきましょう。
気をつけること&できること④ 適度な運動
ストレス解消のためにも、運動習慣を身につけることが大切です。運動は急に激しいメニューを行うと、体に負担がかかり過ぎるので、まずはウォーキングや軽い体操などから始めてみましょう。
気をつけること&できること⑤ 睡眠
女性ホルモンのバランスを正常にするためにも、しっかり良質の睡眠を取りましょう。
PCOSを放置するとどうなる?
放置するとどうなる?
PCOSは放置してしまうと、将来の不妊につながるリスクが高くなることが知られています。
実はそれだけでなく、無排卵が続くことで女性ホルモンのエストロゲンが子宮を刺激し、子宮体がんのリスクが高くなることが分かっています。
メタボリックシンドローム
また、PCOSの人はそうでない人に比べて、将来のメタボリックシンドロームのリスクが約2倍にもなると言われています。
【鍼灸治療】多嚢胞性卵巣症候群
【鍼灸】多嚢胞性卵巣症候群
卵巣の機能低下により、卵胞を上手く育てられない状況です。婦人科ではよく聞く疾患名で、鍼灸の得意とする分野です。しっかり体質改善をすれば治る婦人科系の病気です。
卵巣は、五臓六腑の中の「肝」に属します。「肝」は、「血を臓する」と言われ、女性の生理周期や生殖機能に、とても重要です。
「肝」が弱っている人や、他の五臓(脾・肺・腎・心)とのバランスを崩している人には、鍼や灸を用いて、気血(エネルギー)の調節をして、体を整えていきます。
瘀血(おけつ)と痰湿(たんしつ)
多嚢胞性卵巣は、東洋医学でいう瘀血と痰湿によるものと考えます。
- 「瘀血」⇒血の流れが、悪く滞った状態
- 「痰湿」⇒水分の代謝が、悪く滞った状態
鍼灸施術では、体を温めて代謝を上げ、リンパの流れを良くします。また、自律神経やホルモンバランスを整えていきます。
体に感じた不調は、早期に対処することが、望ましいと思われます。しっかり身体を作って、授かりやすい体質を目指しましょう!豊中市で お悩みの方は、当院へご相談ください。
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹
約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。