PGT-A(着床前診断検査)について
2024年11月19日
【この記事でわかること】
- PGT-Aの基本知識と検査の流れ
- PGT-Aのメリットと注意点
- 検査を受ける際の費用や留意点
本記事では、体外受精の過程で行われる「PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)」について、仕組みや特徴、妊娠率向上との関係、費用、倫理的な視点まで詳しく解説しています。
特に、流産を繰り返している方、高齢で妊活中の方、不妊治療が長期化している方にとって、有力な選択肢となり得る内容です。
結論として、PGT-Aは妊娠成功率を高め、流産リスクを減らす可能性がある一方で、保険適用外で高額、かつ倫理的課題もあるため、医師との相談が不可欠です。
本文中には、検査プロセスや正常胚の選び方、心のケアの重要性も解説していますので、ぜひ最後までご覧ください!
PGT-A(着床前診断検査)について知ろう!

PGT-A(Preimplantation Genetic Testing for Aneuploidy)は、先進医療の一つで、不妊治療や体外受精で使用されます。
これは、受精卵(胚盤胞)の染色体を検査することで、着床しやすい胚を選ぶ方法です。不妊治療や染色体異常のリスクが高い方にとって重要な選択肢の一つとなっています。
PGT-Aの基本知識

PGT-Aとは何?
PGT-Aは、体外受精で得られた受精卵の染色体を検査する技術です。
染色体異常がある場合、着床や妊娠が成功しにくかったり、流産のリスクが高まることがあります。この検査により、正常な染色体を持つ胚を選んで移植することができます。
なぜ染色体検査が必要なの?
染色体異常は、流産や妊娠の失敗の主な原因です。特に35歳以上の女性や流産を繰り返している方、不妊治療が長期化している方には染色体検査が役立つとされています。
日本での位置づけ
日本ではPGT-Aは「先進医療」として位置づけられており、一般的に保険適用はありません。ただし、特定の条件下で着床前診断として認められた場合、適切な施設で実施することが可能です。
PGT-Aのプロセスと特徴

胚盤胞の採取と検査
体外受精で育てた胚が胚盤胞まで成長すると、その一部を採取します。この部分は将来赤ちゃんの体にはならないため、安全に染色体を調べることができます。
正常胚と異常胚
染色体検査の結果、染色体に異常がない胚を「正常胚」と呼びます。これを選んで移植することで、着床率や妊娠率が向上し、流産リスクが低下します。異常胚の場合は移植しません。
検査にかかる費用
PGT-Aの費用は施設や地域によって異なりますが、1回の検査で数十万円かかることが一般的です。不妊治療の一環として利用するため、事前に費用を確認することが大切です。
PGT-Aの利点と注意点

妊娠成功率が上がる
PGT-Aによって染色体が正常な胚を選ぶことで、妊娠成功率が向上します。特に流産を繰り返している方や、高齢出産を目指す方にとっては、大きな利点です。
流産リスクの軽減
染色体異常がある胚は、着床しないか、妊娠が成立しても流産することが多いです。PGTAを行うことで、このリスクを大幅に減らすことができます。
倫理的な課題
日本では、PGT-Aを実施する際に倫理的な課題が議論されることがあります。受精卵を選ぶ行為が命の選別とみなされる場合があり、慎重な対応が求められます。
PGTAを利用する際の注意点

保険適用の有無
PGT-Aは現時点で保険適用外の治療です。ただし、特定の条件下で「着床前診断」として認められた場合に限り、適切な医療施設で実施できます。事前に医師とよく相談しましょう。
検査がすべてではない
PGT-Aを行っても妊娠が必ず成功するわけではありません。他の要因(子宮内膜の状態やホルモンバランスなど)も大きく影響するため、総合的な治療が重要です。
心のケアも大切
不妊治療は身体的・精神的に負担がかかります。PGTAを利用する際も、不安やストレスを感じることがありますので、心のケアを意識しましょう。
関連記事:着床前診断(PGT-A)が保険適用外なのはなぜ?
関連記事:胚盤胞まで育たない原因と改善

PGT-A(着床前診断検査)について【よくある質問と回答】

Q1. PGT-A(着床前診断検査)とは何ですか?
A. PGT-Aとは、「着床前胚染色体異数性検査」の略で、体外受精で得られた胚の染色体数を調べる検査です。正常な染色体を持つ胚を選んで移植することで、妊娠率を高めたり、流産リスクを減らすことが期待されます。
Q2. PGT-Aはどんな人におすすめですか?
A. 特に35歳以上の高齢妊活の方、流産を繰り返している方、移植を何度も繰り返しても妊娠しない方などに推奨されます。染色体異常のリスクが高い場合に有効とされています。
Q3. PGT-Aの費用はどのくらいかかりますか?
A. 医療機関によって異なりますが、1回あたり20〜50万円程度が目安です。検査費に加え、体外受精費用もかかるため、事前にクリニックで費用を確認することが大切です。
Q4. PGT-Aをすれば必ず妊娠できますか?
A. PGT-Aで染色体が正常な胚を選んでも、着床や妊娠を保証するものではありません。子宮内膜の状態やホルモンバランスなど、他の要因も妊娠に大きく関わっています。
Q5. PGT-Aは保険適用されますか?
A. 現時点ではPGT-Aは原則保険適用外です。ただし、特定の医学的条件を満たした場合に限り、着床前診断として実施が認められるケースがあります。実施医療機関での相談が必要です。
まとめ:PGTAは妊娠成功への新たな可能性

PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)は、体外受精を受ける女性にとって、妊娠成功率を上げるための有力な選択肢です。
この技術は、胚の染色体異常を検査し、正常な胚を選ぶことで、流産リスクを減らし、妊娠率を向上させます。
不妊治療が長期化している方や、流産を繰り返している方、高齢出産を目指す方に特に有効とされています。
一方で、PGT-Aには高額な費用がかかり、保険適用外であることがほとんどです。
また、倫理的な課題や、検査結果が妊娠成功を保証しないという現実も理解しておく必要があります。そのため、PGT-Aを受ける際には、医師との十分な相談や、心のケアも大切です。
妊娠への道のりは決して平坦ではありませんが、PGTAは希望をもたらす手段の一つです。
染色体異常のリスクを減らし、妊娠の可能性を最大限に引き出すためにも、自分に合った治療法を選ぶことが重要です。
PGT-Aを考えている方は、信頼できる医療機関で十分な説明を受け、不安や疑問を解消した上で進めてください。
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執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹
約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
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