起立性調節障害の治し方(中学生・高校生)なぜ遊びには行ける?
2024年09月5日
目次
起立性調整障害
起立性調整障害とは
起立性調節障害とは、立ち上がった際にめまいや動悸、失神などが起きる自律神経の機能失調のことを言い、思春期前後の小学生から中学生・高校生に多く見られます。
起立性調節障害の症状
- 立ちくらみ、めまいを起こしやすい
- 立っていると気持ち悪くなる。ひどい場合、倒れてしまう
- 入浴時に気持ち悪くなる
- 嫌なことを見聞きすると気持ち悪くなる
- 朝なかなか起きることが出来ず、午前中は調子が悪い
- 顔色が青白い
- 食欲がない
- ヘソの周りに痛みを感じることがある
- 疲れやすい
- 頭痛がする
- 乗り物酔いをしやすい
これらの症状で2~3つ以上当てはまる場合は、起立性調節障害が疑われます。
また、これは起立性調節障害を起こしているかの診断基準にもなります。
その他に、起立性調節障害の自律神経機能障害の診断は、10分以上仰向けで寝て頂いた後、安静時の血圧・脈拍を測定して起立後の血圧低下からの回復時間、その後10分後まで血圧・脈拍を測定して診断します。
起立性調節障害は、病気なのか?
起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)は自律神経失調症の症状のひとつであり、交感神経と副交感神経の働きのバランスが崩れることで立ちくらみや失神、めまい、動悸、頭痛など様々な症状を引き起こしてしまう病気です。
起立性調節障害を発症しやすい人
起立性調節障害は、発症した子どもの親もかつては起立性調節障害だったということが多く、起立性調節障害で悩む患者の約半数が遺伝の可能性だと考えられています。
男女比では女子の方が発症する割合が男子よりも若干高く、朝が苦手な人やよく立ちくらみをする方は生まれつき自律神経の働きが弱く、発症しやすい傾向にあります。
また日頃から水分や塩分の摂取が少なく低血圧な方や、小食でエネルギー不足の状態になっている場合にも発症しやすくなります。
性格面などでは、真面目で責任感の強い方や周りに気を遣いすぎる方など日頃から精神的ストレスを受けやすいタイプの方は、発症の主な原因でもある自律神経の乱れを起こしやくなります。
起立性調節障害の原因
起立性調節障害の主な原因は、自律神経系のバランスが崩れることで血圧を一定に保つことができなくなり結果、立ちくらみやめまいなどの不調が起きてしまいます。
自律神経系のバランスが崩れるそもそもの原因は「ストレス」が大きく関与します。
また思春期においては、身体の成長と共にホルモンバランスも変化していくので、これも起立性調節障害になる要因だと考えられています。
小学生の起立性調節障害
起立性調節障害は主に中学生や高校生に多くみられますが、成長の早いお子様では小学校の高学年から二次性徴が始まります。
この二次性徴に伴い、ホルモンバランスの大きな変化や身体の急激な成長が原因となり、起立性調節障害を起こしてしまうのです。
また、クラス替えや学校での人間関係に馴染めないといった精神的なストレスからも起立性調節障害を起こしてしまう要因と考えられています。
大人の起立性調節障害
起立性調節障害は思春期のお子様によくみられますが、大人でも発症する病気です。
大人で主に発症する原因と考えられのが、生活環境の変化や職場でのストレス。
特に仕事が忙しい為に十分な休息時間を持てないことや、十分な睡眠をとることができない、偏食しがちで食生活が乱れてしまうなどが主な要因とされることが多いです。
しかし中には、別の疾患が他に隠れており、それによって自律神経障害を引き起こしてる場合もありますので十分に注意が必要です。
中学生の起立性調節障害の治し方
起立性調節障害の治療法は大きく分けて「薬物療法」と「非薬物療法」の2つです。
基本的には薬を使用しない「非薬物療法」が一般的な治療になります。
○非薬物療法
- 1日に1.5~2lの水分を摂る「飲水療法」
- 塩分を少し多めに摂る意識を持ち、バランスの良い食事を摂る「食事療法」
- 椅子や手すりを持って足踏みなどをする軽い「運動療法」
- 太陽光を浴びて体内時計や体内ホルモンを整える「光療法」
起立性調節障害は、なぜ遊びには行けるの?
なぜ遊びには行けるの?① 自律神経系の乱れや血圧が原因
朝、学校には行けないのに、午後から遊びに行けるのは「甘え」だと考えられ方が多いです。
ではなぜ学校は行けなくて、遊びには行けるのでしょうか。
考えられる要因のひとつ目は、自律神経系の乱れや血圧が上手く上がらず、また一定に保てないことが考えられます。
症状がひどい場合は、終日だるさが消えずに起き上がれないこともありますが、思春期のお子様が発症される起立性調節障害のほとんどは軽度~中度と言われており、時間経過で段々と症状が改善されていきます。
よって、午後には症状が回復し外へ遊びに行けることがよくあるのです。
なぜ遊びには行けるの?② ストレスからの解放
そしてふたつ目に考えられる要因は、ストレスからの解放です。
起立性調節障害は子ども自律神経失調症とも言われています。自律神経失調症とは、ストレスが原因で引き起こされることが十分に考えられる病です。
ですので、ストレス元から離れるということは、起立性調節障害にとって症状の緩和につながります。
遊びに行く事や楽しみにしていたイベントなどに参加できるのは、ストレスを感じずに過ごせるからです。
なので、身体も元気なままを維持できるのは自然なことですし、あくまでも「さぼり」や「甘え」などではなく、起立性調節障害にはよくみられる「症状」なのです。
執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹
約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。
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