不正出血と生理の違い
2024年08月22日
目次
不正出血と生理の違い
不正出血と生理の違い
- 生理…剥がれ落ちた子宮内膜と不要になった血液が排出されること。
- 不正出血…生理期間以外での性器からの出血のこと。
見た目では分からない
基本的に健康的な状態の女性であれば、月経もしくは排卵出血以外での性器からの出血はありません。
不正出血は子宮や卵巣などの病気によるものが多いですが、必ずしも病気であるわけではなく、経血の見た目のみでの判断は難しいです。
生理期間以外での出血が2~3日続く場合は、婦人科を受診されることをおすすめします。
不正出血か生理なのか分からない場合
不正出血か生理なのか分からない場合
不正出血には色々なパターンがありますので、生理なのかそうでないのか判断が難しいと思います。
不正出血のセルフチェック
以下の項目は不正出血のセルフチェックとなります。
- 下着に少量の血がついている
- 茶色のおりものが出ている
- 月経や排卵出血以外での鮮血の出血
- 生理期間外での出血が1日でおさまった。あるいは2日以上続いている
- 閉経後の出血
- 痛みや痒みを伴う出血
以上で1つでも該当する場合は、不正出血となります。
また「閉経後の出血」「痛みや痒みを伴う出血」に該当される場合は、緊急性の高い不正出血の可能性がありますので必ず婦人科を受診しましょう。
生理と不正出血を見分けるには
生理周期は、一般的には25~28日で基礎体温の変化が見られます。
また生理不順の場合も必ず基礎体温の変化がありますので、日常的に基礎体温を記録することで、生理と不正出血を見分けることができます。
経血と不正出血の見分け方
経血は色や粘度も様々です。そして経血の色が変化することは一般的なことです。これは生理の重さやホルモンバランスの変化により生じます。
健康的な経血の場合
- 経血が黒っぽい、または茶色
- 経血が真っ赤、または赤黒い
- 経血がピンク色
不正出血の場合
- 経血がオレンジ色
- 経血が灰色
- 経血が水っぽい
- 経血が塊になる
- 経血中に膜のようなものが混ざる
経血が月によって少しずつ違いがあること自体は問題ありませんが、色や粘度がいつもと大きく変化がある場合には婦人科を受診するようにしましょう。
不正出血の原因
不正出血の原因
不正出血の原因として、以下のような大きく分けて5つの種類があります。
- ホルモンバランスの乱れによるもの
- 炎症、膣炎によるもの
- 腫瘍によるもの
- 妊娠によるもの
- 裂傷によるもの
不正出血が一日だけ見られる
月経と月経の間の排卵期に、子宮内膜が一時的なホルモン低下の影響を受けて出血がみられることがあります。
これは排卵出血といって、よくみられる不正出血のひとつです。
このような症状が2~3回みられる場合は、婦人科を受診されることをおすすめします。
生理後の出血(生理が終わったのに)
生理が終わったのに出血してしまう主な原因は、ホルモンバランスの乱れによる機能性出血、排卵期出血が考えられます。
人間の体は、排卵の前に一時的にエストロゲンというホルモンの排出量が低下する期間があります。この出血はごく一般的で自然なものですので、婦人科の受診は必要ありません。
ただし、月経周期の真ん中から少し前くらいに起こったり、毎回繰り返す際には注意が必要ですので婦人科の受診をおすすめします。
生理期間じゃないのに出血する
生理周期じゃないのに出血することは上記にもありますように、排卵期出血(中間期出血とも言われます)といって排卵の数日前から起こり、高温期に移行する時に起こりやすいです。
出血の量が大量ではない限り、基本的には問題のない出血です。しかし、この出血量が大量であったり臭いや痛みがある場合は要注意です。
- ポリープ
- 子宮筋腫
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
このような異変が体で起こっている可能性がありますので、速やかに受診しましょう。
不正出血の期間
排卵期出血や中間期出血は、排卵時期に合わせて起こる出血です。この出血は生理開始日と開始予定日の中間に起こり、通常4日以内に止血します。
それ以上続く場合や、出血量が多い場合などは婦人科を受診しましょう。
不正出血が止まらない原因
生理がいつもより長い、出血や茶色いおりものがダラダラと止まらないといった原因は大きく分けて3つあります。
- 思春期での不正出血
- 40代後半での不正出血
- 子宮がんや子宮筋腫、ポリープ、クラミジア感染などの疑いがある不正出血
思春期での不正出血
卵巣がしっかりと発達していないため十分なホルモンが分泌されず、少量の出血が続くといったことがあります。この場合は特に問題はない可能性が高いです。
40代後半での不正出血
40代後半からは閉経の準備が始まりその過程においてダラダラと出血が続いてしまうことがあります。こちらもごく自然なことなのでお薬などは使わず、経過を見ましょう。
子宮がんや子宮筋腫、ポリープ、クラミジア感染などの疑いがある不正出血
子宮がんや子宮筋腫、ポリープ、クラミジア感染などの疑いがある場合は、出血が続く他に、いつもより多く出血したり臭いや痛み、痒みなどを伴います。
こういった場合は緊急性が高いですので、速やかに婦人科を受診しましょう。
おりものに血が混じる
茶色いおりものに少量の血が混じる場合は「不正出血」が考えられます。
また、おりものに血が混じり臭いや形状が普段とは異なる場合「性感染症」が疑われます。他にも妊娠の影響でおりものに血が混じる場合もあります。
不正出血による痛みがない
排卵期出血や妊娠による不正出血では、腹痛を伴うことがよくあります。しかし、中には不正出血をしても痛みを感じないケースも存在します。
不正出血が見られても、痛みを伴わない場合に考えられるものは以下の通りです。
子宮体がん、子宮頸がん
子宮体がんは、閉経後の女性に多くみられる疾患です。
この子宮体がんや子宮頸がんは、共に初期には痛みが出ないことがあります。また閉経後に不正出血した場合は、必ず婦人科を受診するようにしましょう。
子宮頸管ポリープ
これは子宮の入り口にできる良性のポリープです。性交や激しい運動をした際に不正出血が起こることがあります。
この時、腹痛を感じられる方もいますが、痛みが無く自覚症状が無い方もおられます。
がんがポリープ状になることもありますので、切除して良性か悪性かを検査することをおすすめします。
子宮筋腫
これは子宮の筋層にできる良性の腫瘍です。この疾患では不正出血や、月経過多がみられ必ずしも痛みを伴うとは限らないものです。
不正出血がみられた場合
不正出血には重大な病気が潜んでいる場合があります。
普段とは違う変化がみられた場合は、体調に大きな変化がなくとも一度婦人科を受診されることをおすすめします。
一度の検査で異常が見つからなかったとしても、何度も不正出血を繰り返す場合は初期の病が隠れている可能性があります。
少しの変化でも婦人科を受診し、検査を受けるようにしましょう。
執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹
約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。