胚移植後の【過ごし方】【食べてはいけないもの】【してはいけないこと】を解説
2024年03月14日
目次
胚移植後の着床日・妊娠判定日について
体外受精の胚移植後の着床日や妊娠判定日はいつごろなのか?、気になる方、非常に多いと思います。
着床日や妊娠判定日は、どの胚(初期胚・桑実胚・胚盤胞)を移植するかによって時期が違ってきます。
初期胚を移植した場合
2分割から8分割期の受精卵を胚移植する方法を「初期胚移植」と言います。胚移植後4~5日後頃に子宮内膜に着床して妊娠成立します。
着床後1週間頃となる胚移植後11~12日後に妊娠判定をして妊娠が確認できます。
胚盤胞を移植した場合
胚盤胞(受精5日目)を胚移植する方法を「胚盤胞移植」と言います。胚盤胞は、採卵後5~6日頃の状態のため、胚移植後1~2日後に着床して妊娠成立します。
着床後1週間頃となる胚移植後8~9日後に妊娠判定をして妊娠が確認できます。
胚移植後の症状
胚移植後には、副作用として様々な症状が起きることがあります。無理をせずにゆっくり過ごしましょう。
下腹部痛(チクチク・ズキズキ)
胚移植後に下腹部がチクチクするケースはよくあります。子宮の収縮による痛みが原因である可能性が高いと言われています。
もし子宮収縮による痛みで、痛みが軽減するようであれば横向きで寝ることをおすすめします。
また、着床期になるとチクチクするという方もおられますが、着床と腹痛の関連性は医学的に証明されていませんので、着床期に下腹部がチクチクしなくても、着床しなかったと落ち込む必要はありません。
他にも下腹部痛の原因としては、子宮収縮による腹痛以外ですと、採卵時の卵巣刺激による卵巣の腫れ(卵巣過剰刺激症候群・OHSS)があります。
また、下腹部に強い痛みが継続している時には、腫れている卵巣がねじれているケースがあるので、すぐに医療機関を受診してください。無理をせずにゆっくり過ごしましょう。
おりもの
胚移植移後には、茶色、赤色の少量の血液が混じったおりものが出る場合もあります。
着床出血といって、受精卵が内膜に入り込む際に少量の出血をすることもありますが、妊娠された方の20~30%くらいです。
出血の量が多い場合や出血が続く場合にはクリニックに相談してください。
出血
胚移植では、移植時の膣内消毒やカテーテル挿入時の微細な傷が原因で出血することがあります。胚移植後2~3日間、出血が続く可能性があります。出血が止まらない場合にはクリニックに相談ください。無理をせずゆっくり過ごしましょう。
じんましん
胚移植時には、黄体ホルモン薬の補充を行いますが、黄体ホルモンなどのホルモン剤の影響で蕁麻疹が出ることがあります。
胚移植後の【過ごし方】【気をつけること】【してはいけないこと】
胚移植後はあまり神経質になり過ぎないでOKです。不安になってネットで検索魔になることは控え目に、ゆったり、のびのび過ごしましょう。
体外受精の胚移植後の【過ごし方】【気をつけること】【してはいけないこと】についてご紹介します。(妊娠判定後の方も参考にしてみてください)
自転車や車の振動
とても多い質問なのですが、自転車や車の振動が着床に影響しないのか?ということです。
以前は車や自転車の振動は、控えた方が良いという考えもあったみたいです。しかし車や自転車の振動が結果に影響するかどうかははっきりしていません。
あまりにも強い振動は控えた方が良いのかもしれませんが、胚移植後も通常通りに車・自転車を使って頂けたらと思います。お姫様生活で、過保護になり過ぎなくても大丈夫です。
激しい運動は控える
激しい筋トレ、長時間の立ちっぱなしの仕事などの下腹部に刺激を与えるような激しい運動は控えましょう。お腹に力を入れる(腹筋などの腹圧)トレーニング、ふんばる運動も避けておきましょう。
家事、ヨガ、ストレッチなどの軽い運動は行っても問題ないと思います。車の振動や自転車も長時間激しくなければ大丈夫です。無理をせずにゆっくり過ごしましょう。
よく体外受精の胚移植後は、お姫様生活をしましょう!と言われています。個人的には無理せずいつも通りの生活で良いと思います。
ヨガ・ストレッチ
ゆったり深い呼吸をしながら、気持ち良く身体を伸ばすことは良いと思います。ヨガで全身の血流を良くして、リラックスすることで自律神経も整ってきます。
入浴・シャワー(移植当日は?翌日以降は?)
移植当日の入浴は、傷口からの感染防止のためにシャワーのみした方が良いでしょう。
翌日以降の湯舟に関しては、温めすぎには注意が必要です。汗だくで長時間のお風呂に入ったりサウナでのぼせたりすることは避けた方が良いです。
仕事は休む方が良い?
仕事を休む方が良いかどうかは、仕事の内容が人それぞれなので一概には言えませんが、基本的には今まで通りお仕事を継続されても大丈夫です。
しかし、体に過度な負担はかけずにゆっくり過ごしましょう。一日中、立ちっぱなしの仕事は控える方が良いかもしれません。
気持ち的には、休むよりもいつも通りにお仕事をしている方が、判定日まで気が紛れるかもしれません。
着床期の性交渉は控える
着床期の性交渉によって子宮が刺激され、妊娠率が低下するとの意見もあります。しかし逆に性交渉を持った方が、妊娠率が上昇するとの報告もあります。
性交渉によって、夫婦で精神に安定するなら、やさしい性交渉であれば問題ないと思います。また妊娠後の性交渉は流産、早産につながることもないと言われています。
禁酒する
アルコール摂取量が多い人は、卵子や精子の質が低下すると言われています。できればご夫婦で禁酒が良いかと思います。男性の場合には過度にアルコールを飲まなければ良いと思います。
女性は採卵や移植がはじまったら禁酒がベストです。摂取したアルコールは、胎盤を通過して胎児の体内に流れ込みます。
また、母体と胎児のアルコール濃度には大きな差がなく、胎児の発育不全につながる危険性があるため、アルコールは避けるべきです。
禁煙する
喫煙をしていると、体外受精(顕微授精)の採卵で取れる卵子の数が減ります。排卵機能も低下したり染色体異常の卵子も増加する可能性があります。
また、うまく妊娠が成立しても、喫煙によって早期の破水や、前置胎盤、胎盤異常などが生じるおそれがあります。低出生体重など、胎児の成長にも影響が生じるリスクもあります。
将来、元気な赤ちゃんを望むのであれば、禁煙を早めにしておきましょう。
温めること(カイロ、お灸はOK?)
移植前は大丈夫です。胚移植後は控えめにしましょう。
ただし温めすぎるとダメです。例えばカイロはとても熱く一定の温度で、同じ場所を温めてしまいます。すると汗が出てきて、体が反応して却って冷えてしまいます。
もちろん冷えは良くないので、腹巻や厚手のシャツなどで、しっかり冷えから身体を守りましょう。
胚移植後のセルフお灸も控えておいてください。
食べてはいけないもの&飲んではいけないもの
食べてはいけないもの(胚移植後)
絶対にこれを食べてはいけないというものはありません。(タバコやお酒は控えましょう)しかし妊活中であれば身体を冷やすことはよくありません。
なので食べてはいけないものとしては、氷やアイスクリームなどの冷たい物を食べて身体を冷やさないようにご注意下さい。
また、できるだけ消化に良いものを食べましょう。食べ物の消化には想像以上に大きなエネルギーが必要です。そのエネルギーを着床のため集中させるためにとっておいてください。
飲んではいけないもの(胚移植後)
- カフェイン
- 過剰な水分
- ジュース(糖分)
カフェイン
カフェインにはご注意ください。日本では妊婦へのカフェイン量の制限は明確にはしておりません。
しかし世界での妊娠女性へのカフェイン量の目安からすると、移植後はコーヒー1~2杯くらいにしておくと安心のようです。
水分
水分を多く摂りすぎると、血液が薄くなり栄養が子宮に行き渡らなくなります。摂らなすぎるのもよくありませんが、摂りすぎにも注意が必要です。
また、羊水は海水に近い塩分なので、水分を摂りすぎると羊水も薄くなってしまいます。
ジュース(糖分)
ジュースなどの白砂糖は、身体のエネルギーを作るビタミンBやミネラルを無駄に消費します。 特に移植後は控えてみてください。
胚移植後の【過ごし方】【気をつけること】【してはいけないこと】について、意識し過ぎるのも良くないですが、参考にしてみてください。
妊娠判定後の方も、共通する部分も多いので、ぜひ参考にしてみてください。
胚移植後の気持ちの持ち方
移植後の過ごし方のポイントは、穏やかに楽しくいつも通りに過ごすことです。
胚移植後は副作用などにより、
- だるい
- 眠い
- 胸の張り
など様々な症状が出やすいです。それに加え、体外受精や顕微授精では、治療にかかる費用・時間・労力が非常に負担になり、ナーバスになりやすいです。
本来は、胚移植後は特に神経質にならず、ゆったりとした気持ちで過ごしてほしいです。
例えば、遅くまでネットで「胚移植後の過ごし方」について調べて、目も頭もヘトヘトになって夜更かししてしまった…、という経験はないでしょうか?だるい・眠い症状が取れにくくなります。
頭を使いすぎると不安が増し、妊娠率が逆に低下していきます。体外受精も気楽に乗り越えていきましょう。
ストレスを溜めない環境を整える
また胚移植後にはいろいろな症状が出ることがありますが、不安なことがあれば専門家に質問をして、できるだけ不安やストレスを取り除くようにしてください。
できるだけリラックスしてストレスを無くしましょう。日々の生活でストレス環境を手放して過ごしましょう。
当院で妊活をされている患者さんは体外受精をしている人も多いのですが、つらい経験をされている方が多いです。
何度も移植をして、うまく結果が出ない、胚移植にまで至らないなど…。ストレスの連続で精神的に追い詰められる場合も多いです。
できるだけ【笑顔】
ストレスは無意識に悪い結果を引き寄せてしまいます。毎日色々なことが起こりますが、出来るだけ「笑う」ように心がけてみてください。
悲しい表情をすれば脳はそれを察知し、本当にストレスを感じてしまいます。無理にでも笑うようにしてください。
人は笑い顔をしながら、マイナスのことを考えるというのは難しいのです。授かりにくい人は、特に笑顔を忘れないでください。うまく脳を騙しましょう。
妊活をされていると、いろいろな不安やストレスがあります。移植の後には、不安とプレッシャーに押しつぶされそうになることもしばしばあります。
ついつい人は悪い方向に考えがちです。そして思っている方向に進んでしまいがちなのです。
不安な気持ちも分かりますが、とにかく「笑顔」です!「作り笑い」でも良いので毎日を楽しく過ごしましょう。
うまく脳をだます
顔の筋肉を動かせば、脳は認識します。悲しい顔や怒った顔も、脳は察知します。笑顔の効果は侮れません。
「笑顔」の効果は、科学的にも立証されており、がん細胞を退治するNK細胞を活性化し、免疫力をUPさせてくれます。
さらに、副交感神経を活性化してストレスを減らしリラックスさせてくれます。
人は、楽しいから笑うのではなく、笑顔だから楽しいと脳は認知するのです。好きなお笑い番組でも見て、楽しく笑いましょう。楽しくリラックスして過ごしましょう。
プラスの効果は、計り知れないです。マイナス思考のスパイラルに陥ったときは、強制的に笑ってみてください。
胚移植の前後の「はり灸」
胚移植の前後は、非常におすすめ
胚移植の直前、または当日にはり灸を受けることが望ましいです。成功率が向上します!
昨今では、クリニックと併用して ハリや灸、整体などの施術を受ける患者さんが増えてきています。
今や多くの患者さんが、体外受精での妊娠確率をアップするために、はり灸を希望していると言われています。
米国生殖医療学会誌(2002年4月号)に掲載された内容によれば、体外受精をする女性160人を2つのグループに分け、一方に受精卵を子宮に戻す前後に、はり灸を実施。
もう一方のグループには、鍼をせず、通常の体外受精を行ったところ、鍼を実施したグループの妊娠率が42.5%に上がり、通常治療の26.3%を大幅に上回ったのでした。
世界中からはり灸に対して注目
執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹
約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。